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2021 年度 実績報告書

冥王代のプラズマ過程と鉱物熱水環境を多段シミュレーションする化学進化研究

研究課題

研究課題/領域番号 19H02017
研究機関広島修道大学

研究代表者

川村 邦男  広島修道大学, 人間環境学部, 教授 (50204772)

研究分担者 佐々木 満  熊本大学, 産業ナノマテリアル研究所, 准教授 (40363519)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード生命の起源 / プラズマ / 熱水反応 / RNA / ペプチド
研究実績の概要

本研究では,A:多段化学進化装置(Multi-HF)の開発,B:アミノ酸原料からタンパク質までの化学進化の解析,C:塩基・糖・リン供給源からのRNAまでの化学進化の解析,D:原始タンパク質と原始RNAの機能解析,E:計算化学による評価,の5項目からなり,令和3年度にはBからDまでを検討する計画であった.令和3年度後半には本課題の研究協力者であるM.-C. Maurel教授の所属するSorbonne大学(フランス)において研究活動を行うために本研究を中断し,帰国後に再開する予定である.Sorbonne大学では本課題と関連する研究を行うものの,科学研究費補助金で構築した新しい実験システムをSorbonne大学に移動することは困難であり,また国内の研究分担者との研究協力は不十分となる.このため,中断・再開を選ぶのが賢明であると判断した.昨年度までに項目Aをほぼ完了したので,随時項目BおよびCに取りかかっている.
項目B:超音波照射下でアミノ酸を反応させたところ,ペプチド結合の生成を示唆する吸収スペクトルの増加が認められたので,ペプチド生成の詳しい分析を検討した.またこの結果を受け,ペプチド生成を分析しやすい反応系として原料アミノ酸種類を検討し,申請者らが見いだしたグルタミン酸およびアスパラギン酸を原料とする反応を行うこととした.また,ナノパルス放電プラズマを照射する実験を継続し,アミノ酸からペプチドが生成することを見いだし,学術論文の準備を継続している.
項目C:Sorbonne大学に研究代表者がつくった鉱物存在下で熱水反応を実施できる熱水フローリアクターを送り,大学院生によってヌクレオチド生成過程の解析を進めている.
項目D:機能を発現するための研究を含めて進める予定であったが,本年度もコロナ禍の影響によって,ルーチン分析をする研究補助員を雇用できず,項目Dは今後の課題とした.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2020年度から続く新型コロナウイルス感染症の流行によって,ルーチン分析などを行う研究補助員の手配ができなかったため,項目BおよびCの生成物についてルーチンの反応を行い分析データを得ることが難しかった.また,研究分担者との情報交換も現地での実験観察などを行えず,順調ではなかった.一方,昨年度に構想した,熱水と超音波プラズマ環境を逐次行う多段反応のスキームをおおむね完成した.項目Bについてはペプチド生成過程について研究分担者と論文投稿準備をほぼ完了したので,ある程度順調であると自己診断できる.

今後の研究の推進方策

研究代表者は,本課題の研究協力者であるM.-C. Maurel教授およびJ.-F. Lambert教授らの研究室で,リボザイムの高温高圧下での化学進化過程を研究する予定である.この研究は本課題の項目Dと関連しているため,その研究成果は本課題を推進するための重要な情報となる.本課題を約1年後に研究再開する際には,そこで得た情報を基にして,本研究課題を進める上でさらにユニークな技術と視点を加えられるだろう.またコロナ禍も収束に向かうであろうことから,研究環境は改善されると期待している.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [国際共同研究] Sorbonne Universite/Museum National d’Histoire Naturelle(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      Sorbonne Universite/Museum National d’Histoire Naturelle
  • [雑誌論文] 生命起源を展望する:生命システムの時間発展モデルと2遺伝子仮説2021

    • 著者名/発表者名
      川村邦男
    • 雑誌名

      Viva Origino

      巻: - ページ: -

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2022-12-28  

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