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2020 年度 実績報告書

長波長吸収型光合成への進化再現によるレッドエッジ変化の実験的検証

研究課題

研究課題/領域番号 19H02018
研究機関国立研究開発法人海洋研究開発機構

研究代表者

塚谷 祐介  国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭研究プログラム), 副主任研究員 (10421843)

研究分担者 藤島 皓介  東京工業大学, 地球生命研究所, 准教授 (00776411)
松村 茂祥  富山大学, 学術研究部理学系, 講師 (40619855)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードバクテリオクロロフィル / 色素生合成 / 近赤外光 / 光合成進化 / レッドエッジ / クロロフィリド酸化還元酵素
研究実績の概要

近年の理論研究により、生命居住可能惑星(ハビタブル惑星)においても水中では可視光が、地表では近赤外光が優占していると示唆されている。バイオマーカーの1つである“レッドエッジ”は、光合成生物が光波長を吸収することによって起こる反射スペクトルであるが、実際に存在し得る光合成生物が利用する光波長やその進化と対応した詳細な検討はされてこなかったのが問題である。本研究の目的は、可視光利用型光合成から近赤外光利用型光合成への進化を実験的に再現することで、光合成に利用される光波長帯の変化がどのように起こるのかを検証することである。
これまでの研究により、色素生合成酵素であるクロロフィリド酸化還元酵素(COR)が、光合成生物の種によって異なる酵素活性を示し、その違いのためにある種では可視光を、またある種では近赤外光を吸収する色素が合成されるという結果をもたらすことが示された。つまり可視光利用から近赤外光利用型光合成への進化は、CORという1つのタンパク質の進化でモデル化することが可能である。本研究計画では、この進化を駆動させるアミノ酸領域を同定するために、COR構成遺伝子のコンビナトリアル変異ライブラリを作成する。CORの立体構造を予測して、基質であるクロロフィリドの結合部位周辺のアミノ酸を選定し、ライブラリの設計に利用することで、複合変異ライブラリを作成することができた。変異型CORは無細胞系内での発現、あるいはライブラリを導入した大腸菌を封入したマイクロドロップレット内での発現を試みており、マイクロドロップレット中でのネイティブCOR活性試験を開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウィルス感染症の影響により、実験を実施する機会が当初予定より少なくなってしまったため。

今後の研究の推進方策

予定よりは時間がかかってしまったが、コンビナトリアル変異ライブラリが完成したため、今後はライブラリからの変異タンパク質の発現と活性測定を実現していく。その測定条件を決定するために予備試験を進めていく。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Chlorophyllide a oxidoreductase preferentially catalyzes 8-vinyl reduction over B-ring reduction of 8-vinyl chlorophyllide a in late steps of bacteriochlorophyll biosynthesis.2020

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto, H., Mizoguchi, T., Tsukatani, Y., Tamiaki, H., Kurisu, G., and Fujita, Y.
    • 雑誌名

      ChemBioChem

      巻: 21 ページ: 1760-1766

    • DOI

      10.1002/cbic.201900785

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Lycopene-family carotenoids confer thermostability on photocomplexes from a new thermophilic purple bacterium.2020

    • 著者名/発表者名
      Seto, R., Takaichi, S., Kurihara, T., Kishi, R., Honda, M., Takenaka, S., Tsukatani, Y., Madigan, M.T., Wang-Otomo, Z., and Kimura, Y.
    • 雑誌名

      Biochemistry

      巻: 59 ページ: 2351-2358

    • DOI

      10.1021/acs.biochem.0c00192

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 光合成生物の近赤外光利用型への進化再現2021

    • 著者名/発表者名
      塚谷祐介
    • 学会等名
      第9回宇宙における生命ワークショップ
  • [図書] 光合成細菌 ―酸素を出さない光合成―2020

    • 著者名/発表者名
      編集:嶋田敬三、高市真一(執筆:浅井智広、井上和仁、大友征宇、嶋田敬三、高市真一、塚谷祐介、永島賢治、原田二朗、平石明)
    • 総ページ数
      320
    • 出版者
      裳華房
    • ISBN
      978-4-7853-5870-9

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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