研究課題
1. 本年度は、新たにほとんど塑性変形を生じないと考えられる極端に硬い相(W)と比較的容易に塑性変形を生じると考えられる軟かい相(Ni-Fe)の二相からなる試料を用い、SEM中でその場引張変形実験により塑性変形組織形成および破壊亀裂進展を直視観察すると同時に、亀裂先端の三次元可視化・解析を行った。硬質/軟質相境界が塑性変形時の組織応答を支配していることを示唆する結果が得られたため、EBSDによる粒界分布測定を基に異相粒界における方位関係が力学特性に及ぼす影響を考察した。現在、特に破壊亀裂の伝播に伴う微細組織の変化をTEM, STEM APTにより原子スケールで解析している。2. 昨年度に引き続き非常に大きな伸びを示すfcc単相合金の塑性変形機構を直視観察した。特に結晶粒微細化に伴って生じる降伏現象の変化(連続→不連続)や変形双晶の核生成機構の違いなどについての実験的な検証を行い、さらに金沢大学下川教授の協力を得て結晶塑性学的解析をおこなった。特に微細粒材の結晶粒界において、変形双晶核生成と塑性変形により導入された局所歪みの相関を実験と理論の両面から立証するなど、変形の担い手である構造欠陥の生成・成長に関して、従来のマクロ力学特性に基づく推察とは異なる理解を深めることに成功した。これに関して昨年4月Scientific Reports誌に掲載された研究代表者らによる論文がthe top 100 downloaded materials science papers for Scientific Reports in 2021としてSpringer Natureより表彰された。これらの結果は本研究の大目的である「変形子理論を基礎としたより統一的な塑性変形中の微細組織応答に関する理論構築」に通じる実験的知見であり、3年間の実施期間を通じて十分な成果を得たと考えている。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2022 2021 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (18件) (うち国際共著 5件、 査読あり 17件、 オープンアクセス 17件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 6件、 招待講演 6件)
Journal of Non-Crystalline Solids
巻: 576 ページ: 121227
10.1016/j.jnoncrysol.2021.121227
Scripta Materialia
巻: 213 ページ: 114587
10.1016/j.scriptamat.2022.114587
ISIJ International
巻: 62 ページ: 299~306
10.2355/isijinternational.ISIJINT-2021-194
American Chemical Society
巻: 4 ページ: 7903-7912
10.1021/acsabm.1c00826
ACS Applied Electronic Materials
巻: 3 ページ: 3158-3166
10.1021/acsaelm.1c00364
Nanomaterials
巻: 11 ページ: 1547
10.3390/nano11061547
Journal of the Ceramic Society of Japan
巻: 129 ページ: 66-72
10.2109/jcersj2.20173
NPG Asia Materials
巻: 13 ページ: -
Acta Materialia
巻: - ページ: 116523
10.1016/j.actamat.2020.116523
Journal of Materials Science and Technology
巻: - ページ: 192-203
10.1016/j.jmst.2021.01.031
Scientific Reports
巻: - ページ: 8468
10.1038/s41598-021-87811-w
巻: - ページ: 15870
10.1038/s41598-021-94800-6
Journal of Alloys and Compounds
巻: 889 ページ: 161815
10.1016/j.jallcom.2021.161815
Physical Review Materials
巻: 5 ページ: 14801
10.1103/PhysRevMaterials.5.014801
Scientific reports
巻: 11 ページ: 1-9
10.1038/s41598-021-99914-5
まてりあ(日本金属学会会報)
巻: 60 ページ: 8-12
10.2320/materia.60.8
巻: 61 ページ: 84-88
10.2320/materia.61.84
ふぇらむ(日本鉄鋼協会会報)
巻: 26 ページ: 427-433