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2021 年度 実績報告書

コンビナトリアル技術を援用した薄膜金属ガラスの内部応力測定とその制御

研究課題

研究課題/領域番号 19H02040
研究機関名古屋大学

研究代表者

秦 誠一  名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50293056)

研究分担者 櫻井 淳平  名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (40345385)
岡 智絵美  名古屋大学, 工学研究科, 助教 (70823285)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード内部応力 / 薄膜 / コンビナトリアル技術 / アニール / 薄膜金属ガラス
研究実績の概要

1) 内部応力評価用薄膜ライブラリを用いたコンビナトリアル評価:内部応力評価用薄膜ライブラリを用いて,Ru系およびTi系薄膜金属ガラスのAr圧と,アニール条件(加熱温度,加熱時間)と内部応力の関係を体系的,効率的に解明した.薄膜金属ガラス製ダイアフラム構造と,Siと薄膜金属ガラスのバイモルフカンチレバー構造からなる内部応力評価用薄膜ライブラリでは,十分な内部応力測定結果を得られないということが判明したので,Siばね構造と両持はり構造サンプルを直列に接続した新しい形態の内部応力評価用薄膜ライブラリを試作し,圧縮の内部応力の測定に成功した.
2) 薄膜金属ガラスの構造解析による内部応力制御の原理解明:上記のように,内部応力評価用薄膜ライブラリを用いて蓄積したRu系およびTi系薄膜金属ガラスのAr圧と,アニール条件と内部応力のデータを元に,特徴的な条件で作製したサンプルを,X線回折法による動径分布関数解析,陽電子消滅法による自由体積測定により構造解析を秦,櫻井を中心に行った.これにより,薄膜金属ガラスの内部応力変化のメカニズムついての知見を得た.
3) 内部応力制御されたダイアフラム構造の製作とその応用:以上の検討により,Ru系およびTi系薄膜金属ガラスの内部応力を±200 MPaの範囲,精度±2 MPaにて自在に制御することを目標に試作を行った.直径400 nm~800 umのダイアフラム構造を製作し,マイクロフォンや圧力センサへ応用し本技術の実証を試みた.
以上の研究成果および関連する研究成果は,2件の査読付き雑誌論文と,2件の招待講演を含む7件の学会発表にて公表した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は,1) 内部応力評価用薄膜ライブラリを用いたコンビナトリアル評価:内部応力評価用薄膜ライブラリを用いて,Ru系およびTi系薄膜金属ガラスのAr圧と,アニール条件(加熱温度,加熱時間)と内部応力の関係を体系的,効率的に解明した.薄膜金属ガラス製ダイアフラム構造と,Siと薄膜金属ガラスのバイモルフカンチレバー構造からなる内部応力評価用薄膜ライブラリでは,十分な内部応力測定結果を得られないということが判明したので,Siばね構造と両持はり構造サンプルを直列に接続した新しい形態の内部応力評価用薄膜ライブラリを試作し,圧縮の内部応力の測定に成功した.
2) 薄膜金属ガラスの構造解析による内部応力制御の原理解明:上記のように,内部応力評価用薄膜ライブラリを用いて蓄積したRu系およびTi系薄膜金属ガラスのAr圧と,アニール条件と内部応力のデータを元に,特徴的な条件で作製したサンプルを,X線回折法による動径分布関数解析,陽電子消滅法による自由体積測定により構造解析を秦,櫻井を中心に行った.これにより,薄膜金属ガラスの内部応力変化のメカニズムついての知見を得た.
3) 内部応力制御されたダイアフラム構造の製作とその応用:以上の検討により,Ru系およびTi系薄膜金属ガラスの内部応力を±200 MPaの範囲,精度±2 MPaにて自在に制御することを目標に試作を行った.直径400 nm~800 umのダイアフラム構造を製作し,マイクロフォンや圧力センサへ応用し本技術の実証を試みた.
以上の研究成果および関連する研究成果は,2件の査読付き雑誌論文と,2件の招待講演を含む7件の学会発表にて公表した.以上の結果から本年度の進捗状況を「(2)おおむね順調に進展している」と自己評価した.

今後の研究の推進方策

最終年度である2022年度も引き続き,1) 内部応力評価用薄膜ライブラリを用いたコンビナトリアル評価として,内部応力評価用薄膜ライブラリを用いて,Ru系およびTi系薄膜金属ガラスのAr圧と,アニール条件(加熱温度,加熱時間)と内部応力の関係を体系的,効率的に解明する.さらに,Ni系の薄膜金属ガラスも検討する.内部応力評価用薄膜ライブラリとしては,Siばね構造と両持はり構造サンプルを直列に接続した新しい形態の内部応力評価用薄膜ライブラリを引き続き検討し,圧縮の内部応力だけでなく,引張りの内部応力も測定できるように改良を行い,合わせてさらなる測定精度と測定分解能の向上を図る.
2) 薄膜金属ガラスの構造解析による内部応力制御の原理解明として,上記のように,内部応力評価用薄膜ライブラリを用いて蓄積したRu系およびTi系薄膜金属ガラスのAr圧と,アニール条件と内部応力のデータを元に,特徴的な条件で作製したサンプルを,X線回折法による動径分布関数解析,陽電子消滅法による自由体積測定により構造解析を秦,櫻井を中心に行う.これにより,薄膜金属ガラスの内部応力変化のメカニズムついての知見を得る.
3) 内部応力制御されたダイアフラム構造の製作とその応用として,以上の検討により,Ru系およびTi系薄膜金属ガラスの内部応力を±200 MPaの範囲,精度±2 MPaにて自在に制御可能とする.その知見を元に直径400 nm~800 umのダイアフラム構造を製作し,マイクロフォンや圧力センサへ応用し本技術を実証する.
4) 研究の総括と今後の課題の整理として,これまでの研究の総括を行い,薄膜金属ガラスの応力制御を体系的にまとめた論文,データベーベースを発表する.さらに,研究中に新たに発見された課題について整理し,今後の課題とする.

備考

「マイクロ・ナノプロセス研究グループ」当研究グループのwebページ
「デライトものづくりAIネットワークプラットフォーム」新技術の社会実装をAIの支援によりナビゲート、技術マッチングするシステム.メーカーの技術者や大学・政府機関などの研究者、学生が抱える「技術課題」をトリガーとして、「技術探索者」と、個人から大企業までの広範な「技術提供者」とのマッチング機会を最大化することを目的としている.

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2021 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 2件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Examination of Mechanical Properties and Photoelastic Properties of Gel Material for Blood Vessel Mimics2021

    • 著者名/発表者名
      D. Yamada, S. Hori, S. Abe, Y. Kumeno, T. Yamazaki, C. Oka, J. Sakurai, S. Hata
    • 雑誌名

      Journal of Medical Devices

      巻: 15 ページ: 31011

    • DOI

      10.1115/1.4051516

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 反力可変受動形触覚ディスプレイ用アクチュエータの作製と評価2021

    • 著者名/発表者名
      南原 圭汰,山崎 貴大,岡 智絵美,秦 誠一,櫻井 淳平
    • 雑誌名

      電気学会論文誌E

      巻: 141(9) ページ: 304-309

    • DOI

      10.1541/ieejsmas.141.304

    • 査読あり
  • [学会発表] 微細加工を応用したAI時代の材料探索2021

    • 著者名/発表者名
      秦 誠一
    • 学会等名
      日本機械学会2021年度年次大会
    • 招待講演
  • [学会発表] AIとコンビナトリアル技術を用いた新機能性材料・新磁歪材料の探索2021

    • 著者名/発表者名
      秦 誠一
    • 学会等名
      第29回磁気応用技術シンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] HFSMAを用いたナノ繊毛構造体の作製2021

    • 著者名/発表者名
      佐藤 寛太,山崎 貴大,岡 智絵美,秦 誠一,櫻井 淳平
    • 学会等名
      日本機械学会2021年度年次大会
  • [学会発表] MEMS構造体を利用した薄膜内部応力の測定2021

    • 著者名/発表者名
      高瀬 駿,山崎 貴大,岡 智絵美,櫻井 淳平,秦 誠一
    • 学会等名
      日本機械学会2021年度年次大会
  • [学会発表] 反力可変受動形触覚ディスプレイ用新規アクチュエータの駆動特性2021

    • 著者名/発表者名
      村瀬 正憲,南原 圭汰,山崎 貴大,岡 智絵美,秦 誠一,櫻井 淳平
    • 学会等名
      日本機械学会2021年度年次大会
  • [学会発表] 薄膜金属ガラスを用いた自立微細構造体の基礎検討2021

    • 著者名/発表者名
      大西 拓也,永井 伶於,山崎 貴大,岡 智絵美,櫻井 淳平,秦 誠一
    • 学会等名
      日本機械学会2021年度年次大会
  • [学会発表] 高成形性形状記憶合金を用いたナノ繊毛構造体の作製に向けた基礎検討2021

    • 著者名/発表者名
      佐藤 寛太,山崎 貴大,岡 智絵美,秦 誠一,櫻井 淳平
    • 学会等名
      日本機械学会2021年度年次大会
  • [備考] マイクロ・ナノプロセス研究グループ

    • URL

      http://mnm.mae.nagoya-u.ac.jp/

  • [備考] デライトものづくりAIネットワークプラットフォーム

    • URL

      http://planet-aidea.com/

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公開日: 2022-12-28  

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