研究課題/領域番号 |
19H02067
|
研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
細川 茂雄 関西大学, 社会安全学部, 教授 (10252793)
|
研究分担者 |
冨山 明男 神戸大学, 工学研究科, 教授 (30211402)
林 公祐 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (60455152)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 界面 / 界面活性剤 / 時空間フィルタ流速計 / 吸着 / 液滴 |
研究実績の概要 |
多くの工業分野,自然界において気泡や液滴を含む流れが見られるが,界面活性剤などの汚染物質が含まれる場合,気泡/液滴と周囲流体間の運動量/熱/物質移動が清浄系と異なることが知られている.しかし,変形しながら流動する界面への界面活性剤の吸着/脱離に関する知見は少なく,数値予測においても静的な系に おける吸脱着モデルが利用されているが,その検証は全くなされていない.本研究では,非変形球状界面に対して 開発された高精度速度分布計測に基づく界面上 界面活性剤濃度評価手法を変形を伴う流動界面における計測手法へと発展させるとともに,本手法を用いて流動する界面への界面活性剤の吸着/脱離特性やそれに伴う抗力の変調に及 ぼす界面変形の影響を明らかすること,および当該物理現象を内包する工業機器の数値予測精度向上に寄与する吸脱着モデルの開発を目指す.本研究では大別して3つの実験,すなわち,1)球形液滴の流動界面への吸脱着特性の把握,2)非球形液滴界面への吸脱着測定手法の開発,および3)非球形液滴の流動界面への吸脱着特性の把握を段階的に実施する. 本年度は,昨年度に引き続き時空間フィルタ流速計 (SFV:Spatiotemporal Filter Velocimetry)を用いて球形液滴界面の界面活性剤界面濃度に関する実験データを蓄積するとともに,球形液滴に作用する局所圧力・粘性応力の評価手法を開発した.また,当該評価手法を用いて、液滴に作用する抗力に及ぼす界面活性剤吸脱着の影響を検討した.さらに、非球形液滴界面の吸脱着特性の把握に向けて開発した一般座標系SFVの性能向上をおこなった.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では1)球形液滴の流動界面への吸脱着特性の把握とその影響及び非球形液滴界面への吸脱着測定手法の開発および吸脱着特性の把握を実施する計画であり,本年度は,球形液滴の流動界面への吸脱着特性を理解するとともに、界面活性剤の吸着と液滴に作用する抗力の増加の関係を検討できた。また非球形液滴周囲の詳細速度計測手法を開発できており,概ね 計画どおりの成果が得られている.
|
今後の研究の推進方策 |
前述のように本研究は現在のところ概ね順調に進展している。2021年度は、球形気泡への吸脱着特性に関する数値予測を実施するとともに、2020年度構築した非球形液滴に対する計測手法を界面活性剤の吸脱着を伴う非球形液滴に適用して実験データを取得するとともに球形液滴界面との違いを調べる.
|