研究実績の概要 |
動的環境における線分ベースのMoving Horizon Estimation based SLAM(MHE-SLAM)にでは,前年度に導入したProbabilistic Data Association Filter(PDAF)による線分方向の追跡の精度向上および並列計算による計算速度改善に加えて,遮蔽への頑強化(Haziq, et al., SICE2022)を行った上で,建物の壁など固定された環境の地図が時間経過で崩れないようにMHEの評価関数を工夫することにより改善した(Haziq, et al., AROB2023).またLiDARでとらえた歩行者の点群を楕円としてモデル適合で位置計測し,向きや大きさを含めて推定する手法(Matsuyama, et al., SICE2022),およびMHEのホライズンを用いて,外れ値に対する頑強化(Matsuyama, et al., MSCS2022)に取り組んだ.さらに平面ベースのSLAMにおけるシステムの構造に着目して,EKF-SLAM自体の高速化(Pan, et al., SICE2022)も行った.そしてオドメトリとLiDARの融合によって特異環境においても推定精度を改善する手法を構築することができた(Sekiguchi et al., AROB Journal).また,屋外環境における自動車を想定した自己位置推定手法として,PDAFを用いてLiDARやGNSS情報の外れ値や欠落を頑強化する手法を構築し,シミュレータによって有効性を確認した(Ochiai et al., CCTA2022).さらにLiDARとGNSSを搭載した自動車の実験車両のデータを用いて自己位置を推定する実験も実施した.なお,コロナ禍の影響で一部の項目は実施時期を延期した上で実施した.
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