バイオ環境(電解質水溶液)中のクーロンポテンシャルの計測・制御をナノメートル分解能および高速に行うことを原理とした分子機械のラピッド・プロトタイピングと応用を目指した.本提案では,分子機能をラピッド・プロトタイピングする設計論を分子機械の設計に適応することを目指すものである.分子機能をラピッド・プロトタイピングする原理として,クーロンポテンシャルとイオン濃度パターンを高速に標的分子近傍にプロジェクション・マッピングさせる方法をとる.我々が独自に開発したバーチャル電極ディスプレイは,狙った分子近傍の電場を120 nm 以下の空間分解能で高速に任意に操作するものである.呈示されたバーチャル電極パターンにより,SiN薄膜上には静電力を起源とした力場を発生させることができる. 本年度においては,以下の2点の成果が得られた.1)バーチャル電場ディスプレイ表面の界面動電現象や電気泳動力の方向を適切に制御することにより,集束流動場を形成し,水中に分散している酸化グラフェン プレートレットを自在に濃縮・堆積・パターニングすることに成功した.2)ディスプレイ表面に生じる電気的な力場を自在に制御するパタンジェネレータを作成し,ナノ粒子を自在にマニピュレーションできる「ナノ力場呈示ディスプレイ」への応用を実証し,世界最小のビデオゲームのデモンストレーションを実施し,人とナノ分子をリアルタイムにつなぐインタラクティブ・インタフェースを実現した.
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