• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実績報告書

超複合起歪機構を基軸とする全方向駆動システムの拡張的体系化

研究課題

研究課題/領域番号 19H02101
研究機関山形大学

研究代表者

多田隈 理一郎  山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (50520813)

研究分担者 多田隈 建二郎  東北大学, タフ・サイバーフィジカルAI研究センター, 准教授 (30508833)
戸森 央貴  山形大学, 大学院理工学研究科, 助教 (30783881)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード繊毛振動型移動機構 / 超複合起歪機構 / 全方向駆動システム
研究実績の概要

本年度は、超複合起歪機構の繊毛形状の改良に基づく機構の小型・軽量化をさらに進めると同時に、超複合起歪機構の先端に取り付けた、無限回転可能な頭角の制御により、配管内などの狭隘空間において、その頭角の曲がった方向に、確実に方向転換できるようにした。
さらに、弾性を有する繊毛の断面形状や傾き角などを適切に調整して、繊毛の傾き方向を、ロボットの頭角の回転方向と連動させることにより、ロボットの進行方向の前・後方向の切り換えを可能にして、超複合起歪機構の全方向駆動性を高めた。その上で、この超複合起歪機構を有するロボットを、無線で制御可能にし、バッテリーを内蔵した配線無しのロボットとして、様々な配管内部で走行実験を行った。
また、非接触型のレーザ測距センサと9軸慣性センサの出力を利用した、超複合起歪機構の自己位置推定と三次元地図情報生成の機能をさらに向上させ、複雑な形状を有する配管内部の正確な三次元地図をリアルタイムに作成できるようにした。
以上の改良により、超複合起歪機構の全方向駆動性が大きく向上し、自己位置推定機能の精度も十分に高まったことから、社会実装の一環として、探査ロボットをオペレータと共に、探査すべき配管などがある現場へと派遣し、その配管の内部の状況をカメラなどで確認するという実証実験を行い、その実証実験で得られたデータや知見に基づく、探査ロボットの移動能力の改良および小型・軽量化などを進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本年度は、超複合起歪機構としての繊毛振動型移動ロボットの先端に、屈曲した頭角を取り付けて無限回転させることにより、前後左右への全方向駆動性をさらに向上させることに成功した。この内容を計測自動制御学会のSI2022で発表し、「SI2022 優秀講演賞」を受賞した。
また、カメラを搭載した超複合起歪機構を、そのオペレータと共に、探査すべき配管などがある現場へと派遣し、その配管の三次元地図情報をリアルタイムに所得しつつ探査を行い、内部の状況をカメラなどで確認するという実証実験を行う段階まで研究開発が発展したことも、当初の計画以上に研究が進展していると判断したことの根拠である。
さらに、内径75mmの配管に適用可能な超複合起歪機構としての繊毛振動型移動ロボットを用いて、2022年5月21日~22日にかけて山形市の霞城セントラルにて開催された「第1回パイプロボコン世界大会」に出場し、「アイディア賞」と「デザイン賞」を受賞し、配管探査ロボットの普及と文化としての定着に貢献できたことも、当初の計画以上に研究が進展していると判断した理由である。

今後の研究の推進方策

今後の研究の推進方策として、探査すべき配管など狭隘空間の存在する現場に、超複合起歪機構としての繊毛振動型移動ロボットを実際にオペレータと共に派遣して、様々な探査などの実証実験を繰り返し、そこで得られたデータと知見とに基づき、超複合起歪機構の全方向駆動機能を向上させることが挙げられる。
また、前年度に引き続き、機械学習を用いて、超複合起歪機構の繊毛の断面形状や傾き角などのパラメータを最適化することを、ループ状に組み上げた配管を用いて効率的に得た超複合起歪機構の走行実験のデータに基づき行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 三次元地図生成機能を有する振動推進型配管探査ロボットの研究2022

    • 著者名/発表者名
      山廼邉和史,酒井柊,菅井祐太,阪本惇暉,笹川一輝,多田隈理一郎
    • 学会等名
      第40回日本ロボット学会学術講演会
  • [学会発表] 回転頭角を有する配管用移動ロボットの推進機構に関する研究2022

    • 著者名/発表者名
      阪本惇暉,山廼邉和史,多田隈理一郎
    • 学会等名
      第23回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2022)

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi