研究課題
マイクロ超音波モータの効率向上の研究では,せん断変形を生じる15モード素子と,単結晶圧電材料であるPMN-PTの,二種類の圧電材料について,研究を行い,成果が得られていた.そこで,これらを組み合わせた,15方向分極された単結晶素子を用いたマイクロ超音波モータの試作を行い,実験と評価を行った.従来のステータと比べて,結合係数とQ値は2倍以上となり,モータとして約1.5倍の出力向上が得られた.しかしながら,試作の歩留まりが悪化し,かつモータの駆動後ただちに性能が低下する現象が観察された.材料特性および分極の状態が要因と考えられるが,原因の特定には至らなかった.ステータとロータの接触は効率向上のポイントであり,ステータとロータの接触を最適化して,性能向上と出力安定化について調査した.実験しやすいよう2mm角のものを試作し,おおむね目標値である約0.15mNm以上のトルクを発生することができた.3Dプリンタによって印刷したマイクロギアを用いて,サイズΦ2mm長さ2mm,ギア比64の遊星歯車の製作を行った.ギアボックスを組み立て,減速していることが確認され,強度,効率などを実験で明らかにした.マイクロギアードモータを用いた車輪型マイクロロボットの研究を行った.車輪に粘着テープを採用することにより,壁面および天井を移動できるマイクロロボットの駆動に成功した.また,ギアードモータにはセンサを取り付け,複数個のマイクロ超音波モータを同期してフィードバック制御できるシステムの開発を行った.マイクロリンク機構の試作,および制御するためのビジュアルフィードバックシステムの開発を行った.機構学的な解析および実験による評価を実施した.半導体集積化技術により,モータを駆動するために必要な高周波発振器や昇圧回路を含むモータドライバの小型集積化ならびに評価を行った.
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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