研究課題
本研究では,脳卒中リハビリテーションを「身体協調に基づく中枢神経系の機能回復」と捉え,患者の身体協調の再獲得と保持を促進する歩行再建のためのロボット訓練法の開発を行う.筋シナジーと動的プリミティブの新しい運動理論に基づく運動介入(身体協調に基づくインピーダンスと平衡点の調整訓練)が下肢ロボット療法として効果的であることを臨床研究を通じて検証する.具体的には,以下の3つの小課題を克服することにより,課題の達成を目指す.(1)診断 ― 異常な身体協調の定量化(2)治療 ― 正常な身体協調の再獲得を促進する運動介入(3)効果 ― 臨床試験による介入効果の科学的根拠の獲得本年度は,上記(1)診断,(2)治療の課題に注力した.ただし,ここでは歩行のみに限定せず,多様な身体運動の協調に対して,筋シナジーと動的プリミティブの概念に基づき運動解析を行い,運動理論とそれに基づく介入,ならびに,その周辺技術について深化を図った.結果はリハビリ、スポーツをはじめとする運動学習を伴う幅広い分野への技術の適用の可能性を示唆した.一連の成果と関連技術は,学術論文1件,学会発表28件(国外7件,国内21件),特許取得2件(国内2件)にまとめられている.なお,取得特許については,出願日が前身研究の期間内であるため,下記には記載されていない.
3: やや遅れている
感染症拡大の影響を受け,成果取りまとめに不可欠な実験の実施が一時困難となったため.
社会情勢を考慮に入れつつ,遅れた計画分も加味して研究を進めていく予定である.
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (28件) (うち国際学会 7件) 備考 (1件)
日本ロボット学会誌
巻: 40(3) ページ: -
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