研究課題
超高齢化社会を迎える日本において、医療費等の社会保障費を削減することは大きな課題である。社会保障費の中で大きな割合を占める創薬コストを削減するための革新的な薬効評価システムを確立することを目的とした研究が開始されている。例えば、ドラッグ・リポジショニング、遺伝子治療・ゲノム編集治療、iPS細胞を利用した創薬などが挙げられる。本研究では、iPS細胞由来の心筋細胞のシート状組織に対して、超低侵襲性エレクトロニクスシートによる生体情報測定技術を適用することによって、生体情報を連続的に測定する。さらに、投薬前後の測定したデータを解析するシステムを構築することによって、創薬の基盤技術としての確立を目指すものである。スマートエレクトロニクスを作製する手順を確立した。さらに、手順に従って作製したスマートエレクトロニクスシートを心筋細胞シート表面に設置して、生体情報を多点計測できるシステムを試作した。この試作したスマート薬効評価システムが機能することを確認した。来年度以降は、作製精度を上げるとともに、投薬前後の生体情報の連続的な測定を行い、投薬効果の詳細を把握する。また、不整脈メカニズムの解明に向けて、二次元状組織を対象にした心筋細胞組織における電位伝播のプログラムを構築し、スクロールウェーブをある程度再現できた。現在構築している実験系は薄膜の二次元であるので、二次元の解析で十分に定性的な傾向を把握できると考えている。
1: 当初の計画以上に進展している
実験系の構築、解析ともに想定よりも早いペースで進んでいる。特に、実験系に関しては良好な結果が得られつつある状況である。新年度の早いうちはコロナの影響で実験がストップするが、その前に解析対象となる基礎データが取得できているため。
スマート薬効評価システムを用いて、複数の薬剤に対してのリアルタイムモニタリングと評価・解析を行う。また、不整脈に関する解析をさらに推進する。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 6件)
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