研究実績の概要 |
初年度の当初、 東京大学では、横磁束形リニア発電機の設計技術開発, 水槽実験用横磁束形リニア発電機の設計提案, 水槽実験のための複数の制御法の提案、列挙と理論的比較を計画していた。海技研は、海洋波データの調査, 気象、海洋波の状態から見た発電機運転可能条件の明確化, システム保護のための発電停止条件の明確化, 海洋波 予測のための理論的基礎検討を計画した。また、宇都宮大学では、リニア発電システムの電力変換器、エネルギー蓄積媒体の概念設計、試験用の電力変換システムの設計と、デジタル制御器実装検討、水槽試験における電気的測定項目のまとめと、計測システム提案に取り組むことに努めた。 しかし、コロナの影響で大学研究室が事実上閉鎖となり、当初の計画を予定通り進めることには大きな困難があった。 そこで、上記の項目のうち、理論計算で遂行が可能なものに議題を絞り込んで、それらを中心に検討を継続しつつ、おもにオンラインで共同研究の打ち合わせを行った。また、発電機の能動制御を可能とするためのインバータとその制御器の選定に関する議論を、主に、宇都宮大学と東京大学間で情報交換を行いつつ進めた。 上記の状況の下、海上安全技術研究所との専門家による海洋波のデータベースにもとづく解析結果を提供していただき、予測アルゴリズムに関する基礎的議論を行った。また、横磁束形リニア同期機の基本設計と、それを用いたエネルギーマネージメントの方法論についての意見交換を進めた。ただ、対外に発信するような具体的成果を得るには至らなかった。
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