研究課題
新型コロナの影響下、ほぼ2年以上にわたり実質的に研究室における実験およびその準備作業ができず、当初計画から大きな遅延を生じてしまった。しかし、3年目となる本年度、集中的に水槽実験の準備を進め、水槽実験を2022年1月から2月にわたり海上技術安全研究所で行うことができた。当初の目標であった、波の予測とモデル予測制御に基づく発電エネルギー最大化制御は、インバータを用いた能動的なリニア機駆動実験において、想定外の可動子の固着を生じ、その力を水槽の波による入力を超えることができなかっため、実験的検証に至らず、数値計算のみの検討にとどまってしまった。一方、抵抗負荷接続した抵抗制御発電実験には成功し、三相二相の座標変換および固定子座標系における電圧および電流のベクトル軌跡に基づく電力計算など、試験データを用いた詳細な解析を経て、発電機の内部の電圧・電流の振る舞いと、発電機性能に関して、理論的予測と試験結果の良い一致を見ることができた。これにより、発電システムとしての基本的な設計と試験が正しくできたことが確認できた。これらの作業を通じ海洋波および海洋構造物の専門家である海上安全技術研究所の研究者と、大学の電気系研究者の集中的な試験実務共同作業を通じ、相互に今後の海洋発電の試験・計測を行うための技術的経験と知識の蓄積と共有を行うことができた。上記の成果を、2022年度前半に電気学会のリニアドライブ研究会等で公開すべく作業を進めている。さらに、この研究の成果は2021年度の宇都宮大学の修士論文1件、2022年度の東京大学の修士論文1件(予定)の中で詳細に記述され公開を行う。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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