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2021 年度 実績報告書

光単側波帯変調の楕円様電界複素振幅軌跡を利用した多重技術の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19H02134
研究機関山形大学

研究代表者

高野 勝美  山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (60302303)

研究分担者 Kariyawasam Amila  東京理科大学, 理工学部電気電子情報工学科, 助教 (90801192)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード光ファイバ通信 / 変復調 / 単側波帯 / 楕円 / 多重
研究実績の概要

楕円軌跡を持つ本研究対象の変調方式における多重方法について,位相シフト型光BPSK-VSB変調を検討している.今年度は特に,光電界複素振幅時間軌跡を整える方法について検討した.高域通過ヒルベルト変換の伝達関数振幅特性の調整によって,時間軌跡をほぼ円状にできることが実験的に示された.今後は,そのような伝達関数を実現するためのフィルタ構成についても検討していく必要がある.
また,このような非対称側波帯変調の受信方式のために,ディジタルコヒーレント方式による検波方法を検討した.光フロントエンドの後段で直交成分に電気的に逆ヒルベルト変換を施すことにより,検波後の信号振幅を約2倍にすることができることが示された.加えて,逆ヒルベルト変換のためのアナログ-ディジタル変換のタップ数とサンプリングレートに関して検討を行った.処理に必要な時間幅が広いことが望ましいことがわかった.実装上での遅延量がどの程度許されるのかあわせて検討する今後必要がある.
光複素振幅時間軌跡が楕円軌道である光信号を将来的に長距離光ファイバ伝送試験をすることに備えて,エルビウム添加光ファイバ増幅器を複数含む光ファイバ周回実験系のための必要なパラメータをシミュレーションにより明らかにした.周回系に導入する光信号の強度が,定常状態における光増幅器の動作点とほぼ一致するような条件であることが望ましい.また,光信号パルス幅と周回系の周回時間がほぼ同一になることも必要であることがわかった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究の進捗は,交付申請書記載の計画通りに概ね推移しており,順調である.

今後の研究の推進方策

複素振幅軌跡と変調スペクトルの関係について,引き続き理論と原理確認実験とあわせて成果を取りまとめていく予定である.特に,楕円軌跡の回転速度や変位方向をさまざま変化させることによってどのように変調スペクトルが変わるのか,評価方法も含めて調査し,多重に向けたパラメータの選定を行っていく予定である.
得られた知見に基づくヒルベルト変換伝達関数をどのように実装していくのか,具体的なフィルタ回路構成に関する検討も行っていく予定である.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Optical field trajectory shaping of phase-shift method based optical BPSK-VSB signal; an experimental study2021

    • 著者名/発表者名
      Amila Kariyawasam, Masaki Shiraiwa, Yoshinari Awaji, Katsumi Takano, and Joji Maeda
    • 雑誌名

      IEICE Communications Express

      巻: 10 ページ: 570-575

    • DOI

      10.1587/comex.2021XBL0100

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] A Study on Sampling Penalties Reduction of Kramers-Kronig Receivers2021

    • 著者名/発表者名
      Kentaro Toba, Takaha Fujita, Enzo Tsukui, Kariyawasam Indipalage Amila Sampath, Joji Maeda
    • 雑誌名

      Journal of Lightwave Technology

      巻: 39 ページ: 6054-6062

    • DOI

      10.1109/JLT.2021.3099938

    • 査読あり
  • [学会発表] 搬送波抑圧光単側波帯変調技術とその展開2022

    • 著者名/発表者名
      高野勝美,カーリヤワサム アミラ
    • 学会等名
      レーザー学会学術講演会第42回年次大会
    • 招待講演
  • [学会発表] エルビウム添加光ファイバ増幅器を含む光ファイバリング中の光パルスの計算2022

    • 著者名/発表者名
      江端健,高野勝美
    • 学会等名
      令和4年東北地区若手研究者研究発表会
  • [学会発表] Influence of digital Hilbert transformers on digital-coherent-detected optical SSB quadrature component for data-center networks2021

    • 著者名/発表者名
      Ayumi Nakazawa, Masataka Kasai, Tomohiro Ito, and Katsumi Takano
    • 学会等名
      The 9th International Conference on Smart Systems Engineering 2021
    • 国際学会
  • [備考] 山形大学高野研究室

    • URL

      http://www.takanolab.yz.yamagata-u.ac.jp/

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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