研究課題/領域番号 |
19H02146
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
平田 拓 北海道大学, 情報科学研究院, 教授 (60250958)
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研究分担者 |
稲波 修 北海道大学, 獣医学研究院, 教授 (10193559)
安井 博宣 北海道大学, 獣医学研究院, 准教授 (10570228)
松元 慎吾 北海道大学, 情報科学研究院, 准教授 (90741041)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 電子スピン共鳴 / 腫瘍 / 酸素分圧 / 細胞外pH |
研究実績の概要 |
電子スピン共鳴(ESR)分光により酸素分圧と細胞外pHを同時に測定する計測技術の開発を進めた。マウス後肢に作製した腫瘍のイメージングを目的に、以下の実験を行った。 (1) フリーラジカルプローブ分子p1TAM-Dの電子スピン共鳴(ESR)信号に影響を与えるウシ胎児血清の濃度の特定:生体内に存在するタンパク質とp1TAM-Dプローブが結合することにより、p1TAM-DプローブのESR信号が影響を受ける。ウシ胎児血清の濃度を増加させ、ESR信号強度を測定する実験を行なった。その結果、0.7g/dLのFBSタンパク濃度でESR信号強度が30%程度に低下することが分かった。 (2) p1TAM-Dプローブの濃度依存性の測定:マウスにp1TAM-Dプローブを投与した際に、プローブ濃度により酸素分圧の測定に関連する電子の緩和時間が変化する。その影響を特定するために、p1TAM-Dのプローブ濃度を変化させ、ESRスペクトルから線幅の情報を取得した。この測定の際には、溶液中を無酸素状態とした。その結果、低磁場側と高磁場側の二つの吸収ピークの線幅について濃度依存性を求めたところ、低磁場側ピークで1.35マイクロT/mM、高磁場側ピークで1.40マイクロT/mMの濃度依存性が得られた。 (3) 腫瘍への投与実験:マウス後肢に作製した腫瘍(ヒト由来膵管がん細胞、MIA PaCa-2、腫瘍体積850から1050立方mm)に腫瘍体積の10%程度の体積のプローブ溶液を直接投与し、ESR測定を行なった。ESRスペクトルを取得することに成功したが、酸素分圧の測定値が高くなる問題があり、今後の検討が必要である。pHの測定値は、投与したプローブ溶液のpHとほぼ同じであり、腫瘍内の細胞外pHを測定するには、プローブの投与体積とそれが腫瘍内で拡散するまでの時間について検討が必要である。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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