研究成果の概要 |
局所的に電流を印加して加熱するジュール加熱の薄膜への適用性を検討して, 温度制御の可能性を明らかにした。続いて, ジュール熱発生のために印加する電流が作る局所磁界と永久磁石による一定磁界を組み合わせた局所磁気飽和技術と融合させることで, 局所領域の磁気異方性制御技術が可能であることを明らかにした。その技術に基づき, 薄膜磁気インピーダンス素子を例に, 簡便な磁気異方性制御技術を構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
薄膜磁気デバイスにおける磁気異方性の制御は, 成膜時あるいは, 基板上で一方向の制御に限られていたが, 本研究成果は装置構造の工夫により任意の方向に異方性を付与できることを示したものであり, 磁気デバイス作製法に新たな可能性を与える。また, 一方向に制御の場合においては, 高真空で大電力を消費し, 長時間で大型炉を必要としたのに対して, 本成果はコンパクトなポータブルな装置提供を可能にし, 消費電力も極めて少なくて済み, 工業応用上インパクトのある成果である。
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