研究課題
最終年度は、薄膜作製条件を検討して臨界電流密度JC=4MA/cm2のAu(20 nm)/YBCO(50 nm)薄膜を成膜し、25 ch SQUID Array形状のTEG (Test Element Group)を作製した。このTEGのSQUIDリング部分に照射量2×1017 ions/cm2で幅30~350 nmのナノブリッジを導入し、SQUIDリング部分を横断するように照射量1×1016 ions/cm2で線照射を行い、薄膜底部に残留した超伝導層をジョセフソン接合とするScS接合(イオンダメージ接合)を導入した。その結果、幅280 nmのナノブリッジ接合を導入したSQUIDで2IC=3.9uAのV-I特性と、ΔV=2.9uVPP程度のV-Φ特性を示し、また、イオンダメージ接合を導入したSQUIDは2IC=3.5 uA、ΔV=1uVPPのV-Φ特性を示し、これらの接合がジョセフソン接合として機能し、SQUIDとして動作可能なことを示した。MRIについては、緩和時間の短い組織にも対応できる低ノイズで広帯域な非共振型銅巻線磁束トランスとフリップチップ構成のマルチターン超伝導インプットコイルを持つSQUIDをMR信号の検出に用いた超低磁場SQUID-MRI食品異物検査装置を試作することができた。超低磁場MRIにおいてT1強調画像を得るためいくつかの方法を検討し、繰り返し時間が最も短くなると考えられる部分的飽和法を応用した方法でT1強調画像を取得した。分極時間を可変することで縦緩和時間の長い水からの信号を抑制し、縦緩和時間の短い油脂のコントラストを強調したT1強調画像を取得することができた。また、超低磁場NMR法を用いてアガロース濃度が異なる水サンプルのT1緩和時間の温度依存性を評価し、絶対温度1/Tと緩和時間1/T1の関係が理論式で表すことが出来ることがわかった。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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