研究課題
レーザー間の位相同期を必要とせずにレーザーの専門家でなくても手軽に扱え、ロバストでフィールド環境でも利用可能な、1台のフリーランニング連続発振半導体レーザーと多段の電気光学変調器を用いた光ファイバー結合ベースの新たなデュアルコムリアルタイム計測装置の研究開発を目的とする。本年度は、高精度波長計での測定値を元に電気光学変調コムのシード半導体レーザーの駆動電流をPID制御することによりレーザー波長を定量的にスキャンして自動補間する手法に於いてPIDパラメーターのさらなる見直しを実施し、標準ガスであるアセチレンガスの吸収線波長の350MHz精度での計測に成功した。また、新たにヘリオットセルを導入する事で光路長を従来の80 cmから72 mに伸ばす事によって我々のデュアルコム分光計測システムの高感度化を図り、腎臓病のバイオマーカーであるアンモニアガス計測に於いて計測感度を従来の300 ppmから10 ppmに迄向上させる事に成功した。さらに、測定帯域の拡大を図る目的でシードレーザーを波長可変半導体レーザーに置き換える事で、我々が構築した計測装置に於いて1510 nmから1585 nmの広い波長範囲でのデュアルコム分光計測が可能になった。高非線形ファイバーを用いた広帯域化に関しては、現在用いている強度変調器に替えて偏光変調器を用いる事で、より効率的にスペクトルの広帯域化及び平坦化を行う試みをシミュレーション計算で実施し、ある程度の効果が得られることが判ったがパラメーターのさらなる最適化を要する。分担研究者の所属するNTT物性科学基礎研究所に於いては、電気光学変調コム光源のさらなる広帯域化に向けて、新たに設計作成した5 mm長のSiN導波路を用いる事で、繰返し周波数を低減する光ゲートや高非線形ファイバーを使用せずに2/3オクターブ帯域光発生に成功した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Optics Express
巻: 30 ページ: 5265~5265
10.1364/OE.449575