研究課題
本年度の結果は以下のとおりである。●最適制御において、入力コスト最小となる定常点と状態コストの最小点が異なる場合、従来はこれらの妥協点に収束する結果しか得られていなかった。本研究では、大域的漸近安定性を保つように入力コスト項を状態依存の形式に変形することで、状態コスト項の最小点に収束し元のコスト関数をできるだけ近似するような結果を得た。本年度はその近似精度を上げる方法を提案した。これによりコスト関数のヘッセ行列が不連続となったが、このような場合にも適用できる最適制御の数値解法を導いた。●待機パワーを考慮した非凸の入力コスト関数による最適制御をを考えることで、省エネ制御が期待できる。本年度は、非凸入力関数を凸緩和したときの最適入力と元の問題の解が一致「しない」場合、すなわち緩和問題が最適特異制御を生ずる場合の典型的な場合を明らかにした。モデル予測制御のような有限ホライゾン問題で定常運転時に微小な入力を必要とする場合がそれに相当する。また、凸緩和解が最適特異制御になる場合、および入力の急峻な変化がシステムに悪影響を及ぼす場合において、待機パワーが無視できる小型アクチュエータを付加することで、合計入力が時間的に滑らかに変化し合成コスト関数が厳密凸になるようなハイ・ロー・ミックス型アクチュエータ構成を提案し、2つのアクチュエータの負荷分担条件等を明らかにした。さらに制御リアプノフ関数が与えられている場合においては、複数の数理計画的手法の解を組み合わせる方法が数値的に一番高速な解が得られることを明らかにした。●入力の変化にもコストが生じるときのイベント駆動型制御に関しては出力フィードバックの場合に拡張した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Automatica
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