研究課題/領域番号 |
19H02162
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
中村 文一 東京理科大学, 理工学部電気電子情報工学科, 教授 (70362837)
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研究分担者 |
西村 悠樹 鹿児島大学, 理工学域工学系, 准教授 (20549018)
佐藤 康之 東京電機大学, 未来科学部, 助教 (40738803)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 制御工学 / 非線形制御理論 / ヒューマンアシスト / ロボット制御 |
研究実績の概要 |
自動車,電動車いす,ドローン,遠隔操作ロボットなど移動体に対する安全アシスト制御は,国民生活を豊かにするキーテクノロジーとして幅広い産業分野で期待されている一方,これまで制御工学において,システムの安全性を保障するためのアシスト制御に関する理論的検討は不十分であった.そこで,本研究では制御バリア関数を用いて安全性と操作性を両立する,安全アシスト制御に関する基礎理論の構築を目的とする. 移動体に対する安全アシストでは歩行者など移動する障害物との衝突回避は重要な問題である.本年度は,時変制御バリア関数を用い,グラフ空間における状態の正不変性より安全性を保障する,安全アシスト制御則を開発した.制御バリア関数の設計は大きな問題であるが,本年度は制御リヤプノフ関数との類似性を利用する,システム蘇生変換を用いた制御バリア関数設計法を開発した.この研究ではさらに,制御リヤプノフ関数が常に制御バリア関数となることを明らかにした.制御リヤプノフ関数設計は以前から研究が行われているが,本年度有限時間整定を実現するために,最小射影法を用いた新たな手法を開発した.また,微分フラットシステムの軌道追従問題に対する制御リヤプノフ関数のシステマティックな設計法を開発した.実機検証として,電動車いすのヒューマンアシスト制御に対して,複数のセンサにより有効性を確認したが,安全アシスト制御においては,ToFを利用した距離センサよりも画像の視差を利用した深度センサが適していることを実機実験により確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
全項目について当初計画を前倒しして進捗しており,研究成果をまとめた論文が順調に採択・出版されているため.
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今後の研究の推進方策 |
研究計画書に記載した課題は,おおむね解決することができた.本年度も継続的に学術論文誌を執筆するとともに,電動車いすとヒューマノイドロボットの安全アシストシステムを実用化可能な水準まで向上させることを目指す.
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