研究課題
本年度は昨年度に引き続き、「1.僅かな情報量のセンシングデータから構築された数理モデル(疎性数理モデル)と再構成データを用いてフィードバック制御系を 構成する手法」を導出、および、「2.疎性数理モデルと再構成データを用いた予測制御手法の確立」するための基礎研究を実施し、「3.1の手法で得られる数理モデルと再構成データを用いた予測制御手法の確立」と「4.アトピー性皮膚炎の数理モデル構築と治療への応用」の検討を行った。昨年度までの研究成果を応用し、アトピー性皮膚炎の観測データの特徴である「欠損箇所の多い時系列データ」を修復し、未来のデータを予測することで予測制御を実現する手法を導出した。欠損データ修復手法を拡張し、分散計算手法を導出した。膨大な量の観測データがある場合に計算機のメモリ不足により全体データの修復が不可能になるが、分散計算により超大規模データへの対応が可能となった。さらに、テンソル補完問題への対応が可能となり、多次元時系列データの修復も可能となった。また、分散計算を利用することで、複数のデータベースを共有することなく欠損データの修復が可能となるため、対象データが個人情報を含む場合に、これらの情報を保全しながら欠損データの修復が可能となった。アトピー性皮膚炎の観測データは個人情報を含むことから、同手法は、より現実的な欠損データ修復手法となった。多くの数値実験により、提案手法の有効性を確認している。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Transactions of the Institute of Systems, Control and Information Engineers
巻: 36 ページ: 106~112
10.5687/iscie.36.106