研究成果の概要 |
機械学習および第一原理計算により巨大光吸収を示す半導体材料を見つけることを目的として、高スループットで光学吸収スペクトルを計算できる新たな手法(PHS法)を開発した。この場合には、高精度の第一原理計算(HSE06法)によるバンドギャップ計算がボトルネックとなるが、さらにこれを解消するため、機械学習(サポートベクター回帰)によりバンドギャップを0.2eV程度の精度で簡易計算できる手法も開発した。未知材料によりAI教師データを構築することを目的として、I-II-V族系化合物(合計250結晶)の大規模計算を行い、新たな太陽電池材料としてCaNaAs, BaNaP, BaKP, BaKAsを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マテリアルズインフォマティクスによる材料探索は、今後ますます多用されて行くと考えられる。但し、マテリアルズインフォマティクスによる大規模光学材料探索においては、限られた時間で多くの材料の光学物性を高いスループットで計算することが本質的に重要となる。本研究では、光学材料(特に太陽電池材料)の材料探索に特に必要となる第一原理計算手法および機械学習法を提案し、短時間で材料の光吸収係数を高精度で計算できる手法を確立した。さらに、太陽電池に適切なバンドギャップおよび光吸収係数を有し、資源的な制約の少ない新しい光学材料(CaNaAs, BaKP, BaKAs)を見出した。
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