研究課題/領域番号 |
19H02179
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
永崎 洋 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 首席研究員 (20242018)
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研究分担者 |
伊豫 彰 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 上級主任研究員 (50356523)
荻野 拓 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (70359545)
石田 茂之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (90738064)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 超伝導 / バルク磁石 / 鉄系高温超伝導体 |
研究実績の概要 |
1.熱間加工バルク開発:SPSを用いた熱間加工法によりCaK1144バルクの作製を行い、結晶粒配向への影響および物性への効果を検証した。熱間加工法で作製したバルクのXRD測定、SEM観察および電子線後方散乱回折分析により、結晶粒配向が促進することが確認された。熱間加工バルクから小片を切り出して局所Jcを磁化法により評価したところ、無配向バルクと比較してJcの向上が見られた。 2.バルクの加工:バルクへの穴開け加工設備を整備し、バルクを破損することなく、穴開け加工(あるいは大型バルクからの小型バルクの切出し加工)が可能であることを確認した。バルクの加工性が比較的良いことから、実装の際に求められる形状に対応可能であることが示された。 3.大型バルク開発:鉄系バルクとしては世界最大のφ65mmバルク(約250g)の作製を行い、相対密度97%の高密度バルクが得られた。一方で、視認できるクラックの発生が見られた。大型化しても局所Jcに大きな低下は見られないが、捕捉磁場はスケールアップしない結果となった。クラックの発生を防ぐ手法の開発(HIP、補助リング、アニール等)が今後の課題 4.多結晶体の微細構。造観察:多結晶体のTEM観察を行い、単結晶と類似の積層欠陥を確認した。一方で厚い積層がないことや、欠陥密度がやや低いなどの違いも見られ、これらの結果と超伝導特性との関連について分析した。 5. 純良多結晶作製条件の検討:出発組成と相生成との関係を検討し、最適な出発組成を見出した。原料の酸素分析を行い、微量のコンタミネーションがあることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調に進行している。バルク試料の大型化に成功を収めるとともに、機械加工手法も確立した。熱間加工によるJc向上も確認した。論文による成果発信を行った。
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今後の研究の推進方策 |
現時点でJcの向上が課題で有り、そのためにはクラックの発生を抑える必要がある。現在その対策を検討中であり、HIP、補助リングの装着、アニール等によって特性が改善されると期待している。
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