研究課題
光ファイバ中にコアが一つだけの従来のシングルコア単一モード光ファイバによる伝送容量は、伝送波長帯域の制限や耐非線形性の観点から、近い将来に限界に突き当たることが予想されている。本研究では、光ファイバ通信の限界を打ち破る方法として、1本の光ファイバに多数のコアを収容したマルチコアファイバ技術と、一つのコアの中を伝搬する複数の固有モードを利用したマルチモード伝送技術を組み合わせた「結合型マルチコアマルチモードファイバ」により、伝送容量の飛躍的な拡大と長距離伝送の両立を可能にする空間分割多重伝送技術を確立することを目的として研究を進めた。2021年度の研究では、結合型マルチコアマルチモードファイバにおける群遅延広がりの伝搬距離依存性、および伝送路の曲げ状態依存性の測定を実施するとともに、実験結果を説明するためのランダム性を表現するフィッティングパラメータを抽出し、数モード結合型マルチコアファイバにおける群遅延広がり低減のための設計指針を確立した。また、結合型マルチコアファイバの群遅延広がりを低減するための新規コア配置を考案するとともに、マルチコアファイバの設計においては、コア間のモード結合だけではなく、コア内の偏波結合を考慮することの重要性を明らかにした。さらに、マルチコア・マルチモード伝送を実現するための石英ガラスによる平面光導波路型モード制御技術に関して、チューナブルなモード依存損失制御デバイスの具体的な構成方法を提案した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件)
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