研究実績の概要 |
前年度に立ち上げた変調周波数80 GHzまでの高感度な応答帯域特性評価を可能とする光学的小信号応答特性評価系を用いて、DFB領域長375 um、共振器内部損失変調領域長220 um (全共振器長: 595 um)の混合変調半導体レーザの小信号応答帯域の評価を行い、本半導体レーザ光源が80 GHzに迫る(~78 GHz)応答帯域を有することを数値解析および検証実験を通して実証した(学会発表(1-2, 6, 10))。本混合変調半導体レーザに光負帰還法を適用して位相雑音低減を行うことで、従来のDFBレーザでの位相雑音最大低減帯域(全低減帯域)が70 MHz (7 GHz)であった帯域を1 GHz (50 GHz)にまで拡大できる可能性のあることを数値解析で明らかにした。現在実証実験を継続中である。(学会発表(7, 8)) また、混合変調半導体レーザの共振器長短尺化による素子応答速度の高速化の検討を進めた。DFB領域長を100 um、共振器内部損失変調領域長を50 umとした混合変調半導体レーザで、小信号E/O応答帯域を130 GHz以上に拡大でき、100 Gbit/s NRZ信号による動的単一モード動作が可能であることを数値解析で明らかにした。最適動作条件で、アイ開口部の消光比を3.5 dB以上確保できることが確認できた。(学会発表(9, 11)) さらに、狭線幅光負帰還半導体レーザ光源のFMCW方式LiDARシステムへの適用性の検証実験を進めることで、光負帰還半導体レーザ光源が直接電流変調による周波数変調時にも狭線幅特性を保持でき、構成したFMCW方式LiDARシステムで450 m程度の測距実験においても30 dB以上の高いSNRを保持したビートスペクトルが観測できることを検証実験で明らかにした。(雑誌論文(1)および学会発表(3-5))
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