研究課題
本研究では,Time-of-flight(TOF)による距離撮像素子の極限的な距離精度の達成のために,ジッタ低減手法について検討した.これまでの取り組みにより,列ドライバに起因するジッタが支配的となっていることがわかっており,これを解決するための2つの手法について考案し,実証に取り組んだ.1つ目の手法は,Dual Reference Plane Sampling (DRPS)である.これまでのReference Plane Sampling (RPS)に光源を追加し,これを列並列に参照面に投光することで,ドライバジッタによる揺らぎ成分のみを抽出する.この抽出したジッタ成分と,主画素との差分をとることでドライバジッタが低減できる.原理検証のための光学系を構築し,その効果を検証した.この結果,ドライバジッタが低減されていることを確認し,距離精度として,52um(1フレーム),27um(10フレーム平均)を達成した.本成果は,Optics Expressに採択されている.2つ目の手法は,チャージインジェクションによる疑似光入力を利用した電子式のジッタ低減手法(CI-RPS)である.DRPSに比べて,追加の光源が不要で簡素な光学系で実現できる.この機能を組み込んだTOF距離撮像素子を試作し,評価を行った.この結果,距離精度として,55um(1フレーム),38um(10フレーム平均)を達成した.本成果は,採択の難しいInternational Solid-State Circuits (ISSCC) 2022に採択された.
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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IEICE Transactions on Electronics
巻: X ページ: 1-15
10.1587/transele.2021CDP0004
Optics Express
巻: 29 ページ: 38324~38324
10.1364/OE.441219