研究課題/領域番号 |
19H02206
|
研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
三木 茂人 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所フロンティア創造総合研究室, 主任研究員 (30398424)
|
研究分担者 |
寺井 弘高 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所フロンティア創造総合研究室, 上席研究員 (10359094)
宮嶋 茂之 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所フロンティア創造総合研究室, 研究員 (50708055)
藪野 正裕 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所フロンティア創造総合研究室, 研究員 (70777234)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 超伝導単一光子検出器 / 量子光学回路 / 超伝導論理回路 |
研究実績の概要 |
量子光学回路の集積化を実現するために、光導波路チップと超伝導単一光子検出器(SSPD)素子チップを貼り合わせる事により集積化を実現する新規手法の検討を昨年度から引き続き実施した。昨年度は、SOI基板上に作成したシリコン導波路と超伝導窒化ニオブチタン(NbTiN)薄膜の成膜、および貼り合わせ手法の有効性を評価するための測定系の構築を実施した。今年度は、実際にNbTiN薄膜を有効面積が様々な線幅100nmのナノワイヤ状への加工を施し、シリコン導波路と貼り合わせる事が可能な治具の設計および作成を行った。この治具を用いて実際にシリコン導波路と超伝導ナノワイアを貼り合わせ、昨年度構築した測定系を用いて吸収率の評価を開始した。今回作成したシリコン導波路の光入力部分が測定系の入射光スポットとの光結合に関して有効に機能しなかった問題が生じたため、残念ながら、吸収特性の評価には至っておらず、来年度は有効な光入力を実現する為に、スポットサイズコンバーターを有したシリコン導波路を新たに設計、作成して、性能評価を引き続き実施する。一方、量子光学回路集積化において重要となる、超伝導単一磁束量子(SFQ)回路を用いたSSPD信号の多重化技術においては、16個のSSPDとSFQ回路を同一冷凍機内に実装し、動作試験を行った。その結果、全16個のSSPからの信号を全てSFQ回路で多重化し出力することに成功した。本技術を発展することで多数のSSPDをオンチップ上で処理することが可能となる基盤技術として期待出来る。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
光導波路結合型超伝導単一光子検出素子の実現手法として、研究計画当初は、光導波路上に超伝導単一光子検出素子を直接作製する手法を検討していたが、回路規模の増大に伴う実現の困難性に直面するため、新たな手法の検討を開始しているために、研究開発に遅れが生じている。
|
今後の研究の推進方策 |
導波路結合型超伝導単一光子検出素子の実現の為のアプローチとして、新たな手法の検討を行っているが、引き続き有効性の実証を行う。また、各々に光入力を有する多数個のSSPDからの出力を、多重化する手法を新たに検討し、動作実証を行い、多光子干渉実験への適用を実施する。
|