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2020 年度 実績報告書

微視-構造連成破壊力学に基づく劣化したコンクリート部材のせん断抵抗機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19H02226
研究機関神戸大学

研究代表者

三木 朋広  神戸大学, 工学研究科, 准教授 (30401540)

研究分担者 上田 尚史  関西大学, 環境都市工学部, 准教授 (20422785)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード微視-構造連成破壊力学 / アルカリシリカ反応(ASR) / 水中圧縮疲労 / せん断スパン有効高さ比a/d / せん断耐荷機構 / RCディープビーム / RCショートビーム / RCスレンダービーム
研究実績の概要

本研究では、アルカリシリカ反応(ASR)によって劣化したコンクリート部材のせん断抵抗機構を理論的に説明することを最終目標とする。2020年度は、コンクリートの内在損傷がひび割れ進展に与える影響と部材強度の寸法効果を明らかにするために、ASR劣化が生じたコンクリート供試体ならびにRC部材の載荷実験を実施した。得た成果は以下の通りである。
成果1:本研究では、ASR劣化したコンクリートについて水の影響を調べるために、気中と水中環境で上限応力比25%~40%ならびに40%~70%の荷重レベルで繰返し載荷を行い、水の存在がコンクリートの低サイクル圧縮疲労挙動に与える影響を実験的に調べた。本試験によって、材齢7年のASR劣化したコンクリートの繰返し荷重下における圧縮挙動に対して水が影響することがわかった。そのメカニズムとして、微細ひび割れ中の水の存在によって、ひび割れの先端に局所的な引張応力が発生し、載荷に伴ってひび割れが進展することが推察された。また、異なる材齢のASR劣化したコンクリートにおいて、供試体表面のひび割れではなく、超音波試験から予測される内部ひび割れの程度が、繰返し挙動に与える水の影響が大きいことが示唆された。
成果2:ASRが生じたRCはりのせん断耐荷機構を明らかにするため、実験的に詳細調査を行った。実験ではせん断スパン有効高さ比a/d = 1.0(ディープビーム)、2.5(ショートビーム)、4.5(スレンダービーム)の3種類のRCはりを対象とした。せん断載荷試験では、ASRによる主鉄筋に沿ったひび割れの開口変位、鉄筋ひずみ、ならびに画像解析によって斜めひび割れの進展挙動を計測した。一連の実験によって、斜めひび割れの発生荷重、ひび割れの角度や分散性の違いにより、a/dが異なるASR供試体のせん断耐力に与える影響を明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の目標であったコンクリートの内在損傷がひび割れ進展に与える影響と部材強度の寸法効果を明らかにすることはほぼ計画通り達成することができた。得られた成果は、JCIコンクリート工学年次論文集,建設工学研究所論文報告集に投稿できた。

今後の研究の推進方策

2021年度は、申請計画の通り、初年度構築した材料モデルを非線形解析に実装して、昨年度実験した構造部材の破壊進展挙動を解析的に評価する。また、大型RCはりの載荷実験を系統的に実施し、RCはりのせん断強度の寸法効果に与える破壊局所化領域の影響を明らかにすることを目指す。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 水中繰返し圧縮試験によるASRが生じたコンクリートの低サイクル圧縮疲労特性に関する研究2020

    • 著者名/発表者名
      三木朋広, 西川泰正
    • 雑誌名

      コンクリート工学年次論文集

      巻: 42(2) ページ: 103-108

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 機械学習によるコンクリート橋点検写真のひび割れ分類における要因分析と効率化に関する基礎的研究2020

    • 著者名/発表者名
      三木朋広, 笹脇壮太
    • 雑誌名

      建設工学研究所論文報告集

      巻: 62 ページ: 15-24

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] RCディープビームとRCショートビームのせん断強度の寸法効果に関する基礎研究2020

    • 著者名/発表者名
      水野峻平, 三木朋広
    • 学会等名
      土木学会第75回年次学術講演会
  • [学会発表] 機械学習によるコンクリート橋点検写真の分類の効率化に関する基礎的研究2020

    • 著者名/発表者名
      笹脇壮太, 三木朋広
    • 学会等名
      土木学会第75回年次学術講演会

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公開日: 2021-12-27  

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