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2021 年度 実績報告書

微視-構造連成破壊力学に基づく劣化したコンクリート部材のせん断抵抗機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19H02226
研究機関神戸大学

研究代表者

三木 朋広  神戸大学, 工学研究科, 准教授 (30401540)

研究分担者 上田 尚史  関西大学, 環境都市工学部, 准教授 (20422785)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード微視-構造連成破壊力学 / アルカリシリカ反応(ASR) / せん断スパン有効高さ比a/d / せん断耐荷機構 / RCディープビーム / 圧縮破壊エネルギー / ポストピーク挙動
研究実績の概要

本研究では、アルカリシリカ反応(ASR)によって劣化したコンクリート部材のせん断抵抗機構を理論的に説明することを最終目標とする。2021年度は、コンクリートの内在損傷がひび割れ進展に与える影響と部材強度の寸法効果を明らかにするために、ASR劣化が生じたコンクリート供試体ならびにRC部材の載荷実験を実施した。得られた成果は以下の通りである。
成果1:ASRが生じたRCはりのせん断耐荷機構を明らかにするため、実験的に詳細調査を行った。実験ではせん断スパン有効高さ比a/d = 1.0(ディープビーム)、2.5(ショートビーム)、4.5(スレンダービーム)の3種類のRCはりを対象とした。せん断載荷試験では、ASRによる主鉄筋に沿ったひび割れの開口変位、鉄筋ひずみ、ならびに画像解析によって斜めひび割れの進展挙動を計測した。一連の実験によって、斜めひび割れの発生荷重、ひび割れの角度や分散性の違いにより、a/dが異なるASR供試体のせん断耐力に与える影響を明らかにした。
成果2:ASR劣化したコンクリートのポストピーク挙動について実験的に検討をした。膨張が1000~3000μ程度の無拘束のコンクリートの圧縮破壊試験をした結果、劣化に伴い弾性係数は大幅に低下するものの、圧縮強度や圧縮破壊エネルギーは大きく低下しないことを明らかにした。また、画像解析を用いて圧縮破壊における局所化挙動を明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の目標であったコンクリートの内在損傷がひび割れ進展に与える影響と部材強度の寸法効果を明らかにすることはほぼ計画通り達成することができた。得られた成果は、JCIコンクリート工学年次論文集に投稿できた。

今後の研究の推進方策

最終年度の2022年度は、申請計画の通り、初年度構築した材料モデルを非線形解析に実装して、昨年度実験した構造部材の破壊進展挙動を解析的に評価する。また、大型RCはりの載荷実験を系統的に実施し、RCはりのせん断強度の寸法効果に与える破壊局所化領域の影響を明らかにすることを目指す。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] アルカリシリカ反応によるコンクリートの損傷がRCはりのせん断耐荷機構に与える影響に関する基礎的研究2021

    • 著者名/発表者名
      三木朋広, 荒川智大
    • 雑誌名

      コンクリート工学年次論文集

      巻: 43(2) ページ: 397-402

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 接合部条件が異なるプレキャストプレストレストコンクリート柱の耐震性状に関する解析的検討2021

    • 著者名/発表者名
      服部滉也, 三木朋広, 生田麻実
    • 雑誌名

      コンクリート工学年次論文集

      巻: 43(2) ページ: 253-258

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 平正負交番荷重を受けるPCaPC柱の耐震性状に関する解析的検討2021

    • 著者名/発表者名
      服部滉也, 三木朋広, 生田麻実
    • 学会等名
      土木学会第76回年次学術講演会
  • [学会発表] Influence of Bond Property Between CFRP Bars and Concrete on Overall Behavior of Circular RC Beams Strengthened by CFRP Under Shear2021

    • 著者名/発表者名
      Rabotovao, A.M, Miki, T
    • 学会等名
      土木学会第76回年次学術講演会
  • [学会発表] ポリウレア樹脂の引張特性ならびにコンクリートとの付着特性に関する基礎的研究2021

    • 著者名/発表者名
      西岡航汰, 三木朋広
    • 学会等名
      2021年度土木学会関西支部年次学術講演会

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公開日: 2022-12-28  

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