研究課題/領域番号 |
19H02255
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
平田 輝満 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 准教授 (80450766)
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研究分担者 |
渡部 大輔 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (30435771)
川崎 智也 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (30705702)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | トラック隊列走行 / マッチングポテンシャル / 利益格差 / 隊列普及率 / 隊列形成拠点配置 |
研究実績の概要 |
1)前年度に開発した都市間高速道路における隊列マッチングポテンシャルの推計モデルに関して,トラックのOD(出発地ー到着地)ごとの隊列走行利益の公平性・利益格差を評価可能なモデルに拡張した.そのモデルを活用し,出発時刻調整のアルゴリズムにおいて,特に走行距離の長短や出発時刻調整の余裕幅の大小の視点から複数の調整方法を検討し,それぞれの方法によるトラック間の隊列利益の格差の差異について,東北自動車道を対象に物流センサスデータから具体的にシミュレーション分析を行った.その結果,例えば,出荷時刻調整幅0の車両は,出荷時刻調整により不利益を生じてしまい,車両間での利益格差となる場合があるが,出荷時刻調整幅0の車両を優遇する出荷時刻調整方法により,平均台・区間当たり利益は数十円程度低下するが,全体での利益格差を是正できる可能性があることが示唆された. 2)仮想ネットワークを対象として, 隊列走行可能なトラックの普及率(市場厚)を引数とする隊列マッチング費用を考慮したモデルを開発した.シナリオとして市場厚を数段階設定し開発したモデルに適用することにより,市場厚とマッチング成立可能性およびネットワーク上の総輸送費用の変化を分析した. 3)トラックが隊列形成場所に到着する到着間隔を考えたうえで,人件費と燃料費を統合したコストを、まず解析的に定式化により求めること、またプログラムによる数値計算を用いて、隊列のマッチングに関する評価を行った.隊列形成拠点施設の空間的配置最適化モデルの開発について,離散最適化に基づく施設配置モデルに含まれるハブ施設モデルを定式化し,数理計画ソフトを用いて小規模な数値実験を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19の影響で欧米における隊列自動走行の技術開発と実験・実装に関する調査に遅れと調査範囲の限定が生じたが,全体としては計画通り,概ね研究が進捗しているため.
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今後の研究の推進方策 |
1)東名阪のトラック需要の大きな路線を対象に,休憩行動を加味した隊列マッチングミクロシミュレーションの開発を行い,マッチングポテンシャルの向上手法や,SA/PAにおける駐車混雑への効果や影響について分析を行う 2)市場厚とマッチング成立可能性およびネットワーク上の総輸送費用の変化について,実ネットワークに開発したモデルを適用し,隊列の成立可能性やそのために必要なインフラ整備について言及する. 3)隊列形成拠点施設の空間的配置最適化モデルを大規模問題に適用可能なものに拡張し,現実世界への適用を試みる. 4)個別モデルからの分析結果を総合し,トラック隊列走行の実装方法と社会便益,今後の政策課題に関して検討・提言を行う.
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