本研究では、未利用熱と空気熱とのハイブリッド熱源による空調用ヒートポンプシステムの設計と持続的な運用管理を一貫して行う「エナジーポートフォリオ管理」を提案し、延床面積2000 m2の事務所用途建物と、広島大学東広島キャンパスの各学部建物を対象にシミュレーションを実施した。未利用熱ヒートポンプは水配管が必要になる場合が多いため、水搬送動力を含めたシステム全体での評価が重要であることから、実験システムを構築し、搬送動力や熱源の温度特性を考慮した制御方式を採用した点が特徴である。適切な設計と運用の下では、暖房時は30%~40%、冷房期は25%~35%の省エネルギー効果が持続的に得られることを示した。
|