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2020 年度 実績報告書

「住空間史学」構築のための分野横断的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19H02333
研究機関立命館大学

研究代表者

大場 修  立命館大学, 衣笠総合研究機構, 教授 (20137128)

研究分担者 平尾 和洋  立命館大学, 理工学部, 教授 (00252479)
青柳 憲昌  立命館大学, 理工学部, 准教授 (00514837)
安森 亮雄  千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (20456263)
安高 尚毅  小山工業高等専門学校, 建築学科, 教授 (50341392)
黒野 弘靖  新潟大学, 自然科学系, 准教授 (80221951)
小林 久高  島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 准教授 (80575275)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード付属屋 / 小屋 / 民家 / 石造 / 屋敷構え / 集落
研究実績の概要

京都府和束町湯船地区における茶工場建築の建築調査を多数実施し、製茶集落における付属屋(茶工場)の実態を把握した。あわせて、京都府福知山市における町家建築を取り上げ、その3階(タカ)空間における水害対応の多様な空間構成を探った。島根県における付属建築物として、松江市畑集落における柿小屋、島根半島の舟小屋に関する調査を実施した。秋田県羽後町の旧長谷山家の実測調査を行い、福島県喜多方市の蔵座敷の実測調査を7軒実施した。
9月以降は、新型コロナの蔓延に対応して、オンラインにおける研究会を月例会として開始し年度内に7回実施した。その内容は、以下の通りである。
第1回目:20-9月-14日:釜床美也子氏(新島の石造建物)概要:東京都新島村における島内で産出されるコウガ石による石蔵などの実態について議論した。 第2回目:20-10月-19日:小林基澄氏(宇都宮の大谷石建物)概要:栃木県宇都宮の各所で産出される大谷石を用いた石造建物の特徴を議論した。 第3回目:20-11月-16日:大場修(長崎の練塀建物)概要:長崎県外海地方で産出される緑色片岩を積み上げた石造工作物や練塀建物の特徴について議論した。 第4回目:20-12月-21日:黒野弘靖氏(上越高田における雁木と雪処理)概要:新潟県上越高田における雁木をめぐり、その雪処理における役割を議論した。 第5回目:21-1月-18日:安高尚毅氏:「鞘建築」・羽後町旧長谷山邸概要:秋田県羽後町にある旧長谷山邸の3階建の鞘建築についてその建築構成を議論した。 第6回目:21-2月-15日:林良彦氏:秋田県横手市増田の町家(鞘堂+内蔵)概要:秋田県横手市増田における町家建築の鞘堂や内蔵の実態とその地域的特徴を議論した。 第7回目:21-3月-15日:二村悟氏「付属屋・小屋と生業」概要:生業に関わる付属屋や小屋について、全国の事例を取り上げて議論した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

京都府和束町湯船地区における茶工場建築の建築調査を多数実施し、製茶集落における付属屋(茶工場)の実態を把握した。あわせて、京都府福知山市における町家建築を取り上げ、その3階(タカ)空間における水害対応の多様な空間構成を探った。以上2箇所の現地調査は、9月以降新型コロナの感染状況が深刻化する中で、特に老人世帯の多い和束町において継続が困難となり、年度後半の予定調査分は翌年に持ち越された。そのようなことで、当初の予定を十全に消化することはできなかった。
しかし、一方で当初予定していなかったオンライン研究会を新規に立ち上げ、月例会として継続実施することで、対面での活動を避けつつも本科研研究を進展させることができた。オンライン研究会では、本科研のメンバー以外にも参加を呼びかけ、実際に科研メンバー以外から研究会への発表者を依頼しつつ実施することで、当初の予定を超えてより広範な議論と研究の深化を図ることができたので、進捗状況は(2)とした。

今後の研究の推進方策

次年度は、今年度未消化のまま残された京都府和束町湯船地区における茶工場建築の調査を補足調査するとともに(主担当:平尾・青柳・大場)、オンライン研究会を継続する。
同時に、研究メンバー各人は、それぞれの関係するフィールド研究を行う。島根県内において・東出雲の柿小屋の追加調査・荒島石の石造建築の調査などを実施する(主担当:小林)。栃木県宇都宮市域では石造建築の生業的視点からの調査を継続し、大谷石の石蔵と町並みについて、栃木県宇都宮市における調査を進め、 他地区を含めた石蔵のタイポロジーの系譜等を明らかにする(主担当:安森)。新潟県をはじめとする東北各県内の雪囲いや付属屋について調査研究を進める(主担当:黒野)。秋田県における鞘建築の調査、蔵座敷などの調査を行う(主担当:安高)。和歌山県古座町や丹後地方における漁家と漁村集落の調査を行う (主担当:平尾・大場)、などを予定している。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (10件) (うちオープンアクセス 10件、 査読あり 4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] ディテールにみる戦後建築の伝統表現 第7回 現代《床の間》愚考 1950年代の《床の間》解釈に学べ2021

    • 著者名/発表者名
      青柳憲昌
    • 雑誌名

      ディテール

      巻: 227 ページ: 85-92

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 古河城下における伝統的町並みの残存状況と店蔵町家の復原考察2020

    • 著者名/発表者名
      落合 純菜,安高 尚毅
    • 雑誌名

      日本建築学会大会学術講演梗概集

      巻: 2020 ページ: 85-86

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 世田谷区高見澤邸の都市的状況と平面の変遷 戦後木造庶民住宅の増改築履歴調査 その12020

    • 著者名/発表者名
      門脇耕三,青柳憲昌,樋渡彩,松本直之,伊藤公人
    • 雑誌名

      日本建築学会大会学術講演梗概集

      巻: 2020 ページ: 1257-1258

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 世田谷区高見澤邸の構法と部品の変化 戦後木造庶民住宅の増改築履歴調査 その22020

    • 著者名/発表者名
      伊藤公人,青柳憲昌,松本直之,門脇耕三
    • 雑誌名

      日本建築学会大会学術講演梗概集

      巻: 2020 ページ: 1259-1260

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] ディテールにみる戦後建築の伝統表現 第6回 吉阪隆正+U研究室〈ヴェネチア・ビエンナーレ日本館2020

    • 著者名/発表者名
      青柳憲昌
    • 雑誌名

      ディテール

      巻: 224 ページ: 93-100

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 田中・門前地区における大谷石建物の外形と町並みの構成2020

    • 著者名/発表者名
      早坂楽,安森亮雄,大嶽陽徳,小林基澄
    • 雑誌名

      日本建築学会大会学術講演梗概集

      巻: 2020 ページ: 613-614

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 大谷石建物と町並みの調査と類型分析 -宇都宮市徳次郎町田中・門前地区を事例として-2020

    • 著者名/発表者名
      早坂楽,安森亮雄,小林基澄
    • 雑誌名

      日本建築学会技術報告集

      巻: 26 ページ: 1202-1207

    • DOI

      10.3130/aijt.26.1202

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 京都市下京区雅学区の事前復興計画に向けた建築物の類型化及びその評価に基づく復興モデルの提案と延焼危険性の分析2020

    • 著者名/発表者名
      平尾和洋,田中勇気
    • 雑誌名

      歴史都市防災論文集

      巻: 14 ページ: 155-162

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 京都市嵐山地区の事前復興計画に向けた建築物の類型化及び印象評価に基づく浸水被害を想定した復興モデルの提案2020

    • 著者名/発表者名
      内貴美侑,平尾和洋
    • 雑誌名

      歴史都市防災論文集

      巻: 14 ページ: 147-154

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 富士山における石室の形式と構法2020

    • 著者名/発表者名
      奥矢 恵,大場 修
    • 雑誌名

      日本建築学会技術報告集

      巻: 26 ページ: 753-757

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [図書] ふるまいの連鎖:エレメントの軌跡2020

    • 著者名/発表者名
      青柳憲昌、 門脇耕三、他
    • 総ページ数
      208
    • 出版者
      TOTO出版
    • ISBN
      978-4-88706-386-0

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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