研究課題/領域番号 |
19H02335
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
奥冨 利幸 近畿大学, 建築学部, 教授 (70342467)
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研究分担者 |
谷川 竜一 金沢大学, 新学術創成研究機構, 准教授 (10396913)
包 慕萍 大和大学, 理工学部, 教授 (40536827)
岡村 健太郎 近畿大学, 建築学部, 准教授 (50737088)
林 憲吾 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (60548288)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 東アジア / 住宅地 / 都市計画 / 広州 / 上海 / 北京 / 満鉄 / 衛生 |
研究実績の概要 |
2022年度の調査予定地であった広州や上海は、コロナ禍による調査対象都市のロックダウンのため、現地調査を見送った。そのため、文献調査と資料整理に大きな進展があった。まず、中国語、韓国語の戦前の住宅地開発の事例を網羅的に調べて、データベース化した。また、研究分担者の包慕萍教授が「Architecture and Urban Facilities in Modern Dalian, from the Point of View of Sanitation」(『大和大学研究紀要』第9巻理工学部編、pp.7‐12,2023年3月)の論文を刊行し、住宅地のインフラ建設の歴史的状況を明らかにした。それに加えて、研究分担者などが共著で「満鉄社宅の採暖防寒技術と室内の和風化について」(日本建築学会学術講演梗概集2023年)、「衛生の観点から見た近代大連の都市インフラ計画と建築法規」(日本建築学会学術講演梗概集2023年)、「満洲における暖房技術の利用実態と長野県野辺山開拓地での反復」(日本建築学会学術講演梗概集2023年)を発表した。さらに、2023年3月10日に、『東アジア近代住宅地の「理想像」を探る』と題するシンポジウムを共催し、近代アジア建築史、植民地都市研究をリードする日本、韓国、中国、ロシアの研究者が参加して、近代住宅地における田園都市思想の導入及び住まいの理想像について深く討議した。発表のテーマは、「建築的アンサンブル」の思想とロシア帝国における建築イデオロギー、ソ連の住宅地の都市的デザイン及びマスタープランモデルの革新、“新村”:新中国における広州の住宅地建設と空間の生産、1920‐1940年代まで京城に於ける郊外住地と田園住宅地について、北進の暖房史(1905-1957)旧満洲から長野県野辺山開拓へなどが発表され、討論が行われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
中国の各都市でコロナ禍によるロックダウンが繰り返されていたため、予定していた中国の調査対象都市での住宅内調査が実施できなかったが、研究計画を調整して、日本の田園調布住宅地、常盤台住宅地などの現地調査を繰り上げて実施し、1920年代、1930年代の日本と同時代の中国、韓国の住宅設計思想及び手法の異同点を比較研究した。そして、研究分担者の包慕萍教授が「Architecture and Urban Facilities in Modern Dalian, from the Point of View of Sanitation」(『大和大学研究紀要』第9巻理工学部編、pp.7‐12,2023年3月)の論文を刊行した。また、他の科研と共催で、日本、中国、韓国、ロシアの研究者が参加して、対面とオンラインの併用方式にて『東アジア近代住宅地の「理想像」を探る』の国際シンポジウムを行い、韓国の近代住宅地の歴史を総覧し、また、中国広州の住宅地建設状況、特に華僑たちが持ち込んだ外来の影響を検証した。さらにロシアによる満洲での植民都市計画における「建築的アンサンブル」の思想を明らかにするなど、大きな研究成果を得られた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度の9月以降に調査実測図面のデジタル化と比較研究を進めたいと考えている。また、戦後の1950年代の社会主義期の住宅地建設と戦前の近代住宅地の継承関係を明らかにする予定である。加えて、中国や韓国での現地調査を予定している。さらに、開催形式を検討の上で、国内外の研究者と国際シンポジウムを開催して、議論を深めたいと考えている。
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