研究課題/領域番号 |
19H02355
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
久保 信明 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (80343169)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | GNSS / ソフトウェアGNSS受信機 / 欺瞞信号 |
研究実績の概要 |
2021年度は予定していたドイツでの研究機関での実証実験が、遠隔での取得依頼のみでは認められず、海外渡航の困難により実施できなかった。屋外環境での実施において、船舶実験が可能であったため、実測位衛星からの信号を2つに分類することで検証した。1つは、実際のライブの測位衛星であり、もう1つは低仰角の測位衛星を欺瞞信号の1つとして想定した。検証結果として、提案する2アンテナ(右及び左旋アンテナ)でのIQ信号において、判別が可能である結果となった。一方、屋外の実験では、24時間の衛星配置での実証が困難であるため、GNSSの再放射キットを用いて、GNSSのライブの信号と放射キットからの信号をコンバイナーで入力することで、提案手法での判別が可能か検証した。ライブの信号は、リアルな衛星配置による物理的な特性をもっており、放射キットからの信号は1つのアンテナからの放射となるため、リアルな衛星配置からの物理特性と異なることとなる。以上の実験を本年度実施し、想定した通りの結果を得ることができた。一方、上記判別の信頼性については100%ではないため、別のデータも交えて検証を今後実施する。またドイツの研究機関でのデータ取得について、引き続き交渉をして実施する方向である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ドイツの研究機関での実証実験を除いては、おおむね順調に進展している。2022年度は上述の機関でのデータ取得を目指しつつ、代替手法での実証も検討している。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究は、ライブの衛星と欺瞞信号を同時に取得できる環境での最後のデータ取得実験と、これまでに収集したデータを用いて、ソフトウェア受信機上での欺瞞信号の判別の確率を、どの程度まで向上させることができるかを検討することである。申請書で記載した提案手法自体に大きな変更はこれまでなく、あとは、実データを用いて機械学習等の利用で、判別の精度を向上させることが重要な課題となっている。この部分に集中的に取り組みたい。合わせて、これまでの成果を学会または査読論文で発表する。
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