研究成果の学術的意義は、衛星測位の偽信号の検知に、一般的な人工衛星の送信信号である右旋円偏波と左旋円偏波の特性を利用することができた点である。衛星測位は全て右旋円偏波を利用しているため、実環境では必ず右旋円偏波と反射による発生する左旋円偏波の受信がそれぞれの衛星電波の到達タイミングで発生する。一方、偽信号は1つのアンテナから送信されることがほとんどであり、右旋、左旋ともに画一的な受信信号となり判別が容易であった。また、この偽信号の対策は、衛星測位分野では今後の高信頼・高安全のアプリケーションにとって必須であり、社会的意義もある課題であったと考える。
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