研究実績の概要 |
厳しいNOx排出規制をクリアするために,特にディーゼルエンジン排ガスから低温で無触媒脱硝する新規な脱硝法の開発が望まれている。波長172 nmの真空紫外線(VUV)照射による還元剤(NH3)なしの光化学脱硝は, 有望な技術である。光化学反応における支配的な反応を,NO,NO-O2,NO-H2O,そしてNO-O2-H2Oの系のモデルガスを用いて,ラボスケールの実験装置によって実験した。これにより, 光脱硝反応を支配するいくつかの重要な素反応が示唆された。 詳細な素反応メカニズムを解明すべく, 詳細化学反応解析ソフトウェアCHEMKINを用いて素化学反応シミュレーションを行った。光分解反応モデルを構築し, 各模擬ガスの反応速度パラメータを推定した。推定したパラメータを用いたシミュレーション結果は実験結果と良く一致した。NO-O2-H2O系におけるVUV照射による脱硝反応の反応機構を明らかにした。
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