研究課題/領域番号 |
19H02366
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
柴原 正和 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20350754)
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研究分担者 |
才田 一幸 大阪大学, 工学研究科, 教授 (30178470)
村川 英一 大阪大学, 接合科学研究所, 招へい教授 (60166270)
生島 一樹 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80734003)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 溶接高温割れ / 片面サブマージアーク溶接 / 理想化陽解法FEM / AI / 割れ防止技術 |
研究実績の概要 |
本年度の研究実施項目は以下の①~④の④項目である。 【①結晶成長方向を考慮した冶金・力学融合型高温割れ解析法の開発】結晶成長方向・結晶会合角予測法の提案を行い、さらに、結晶成長・ひずみを考慮した高度高温割れ解析法の開発を行うことで、冶金・力学融合型高温割れ解析法の開発を行った。 【②凝固偏析を考慮した高精度高温割れ解析手法の構築】凝固偏析量の簡易予測モデルの構築と高温延性曲線におよぼす凝固偏析量の影響について検討可能な解析手法の構築を行った。さらに、デンドライト成長方向、凝固偏析および高温割れ損傷パラメータを考慮した新しい高度高温割れ解析法の提案およびそれを用いた高精度高温割れ解析手法の構築を行った。 【③理想化陽解法FEM、反復サブストラクチャー法、領域分割法の導入による高温割れ解析の大規模・高速化】①および②の新しい高度高温割れ解析手法に対し、GPUを用いた理想化陽解法FEMの導入、反復サブストラクチャー法の導入、さらには、領域分割法およびGPUクラスタの導入により超大規模・高速高温割れ解析法を構築した。これにより、1000万自由度レベルの実構造物の高度高温割れ解析が実現可能になった。この手法用いて、高温割れ発生に及ぼす諸因子の影響について検討した。 【④AI(人工知能)を用いた割れ防止技術の確立】高温割れ解析に用いる入力データ(溶接条件、仮付けピッチ等)と出力データ(ひずみ量、割れの有無、割れ発生位置、割れ長さ等)の関係を学習可能なAI(人工知能)システム(ニューラルネットワーク)を構築し、これを用いて逆問題解析することにより、割れ防止条件を推論できるシステムを提案した。さらに、現場データに加え、高温割れ解析法により得られた解析データの双方により、高精度なニューラルネットワークを構築するためのプログラムを整備した。さらに、割れ防止溶接条件を算定できるプログラムを整備した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
現在のところ、初年度計画であった、高温割れ解析法の高度化と高速化の内容を超えて、AIを用いた割れ低減システムの開発まで進めることが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
次のステージとしては、実際にAIにより考えられた割れ防止条件を用いて実験を実施し、実際に、高温割れが低減できるかどうかの確認を行う予定である。
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