2021年度は、研究者分担者が外れたことによって、波浪中プロペラ近傍流場に対する3次元耐航性理論に基づく理論的な解析の見通しが最後まで立てられない状況となってしまった。このため、代替的な研究促進も兼ねて、2021年度は、 (1)2020年度に実施した波浪中模型実験の分析を進めることで波浪中船体表面圧力におけるプロペラ回転影響に関する新たな知見(圧力変動振幅への影響、ノンキャビ状態のプロペラ変動圧の評価、等)の獲得、(2)2020年度にオプション的に取得した自由航走模型試験による操縦性試験中の船体表面及び舵表面の圧力の詳細分析、(3)横浜国立大学と連携し、取得した模型実験結果を検証材料として、CFD(Computational Fluid Dynamics)による波浪中船体運動・表面圧力・プロペラ近傍流場の解析手法の高度化 の3つの研究活動を行い、本研究の目的である波浪中プロペラ近傍流場に関する解明を深めた。 そして、これらによる研究成果は論文や講演発表で公表していった。特に日本船舶海洋工学会令和3年度秋季講演会においては、本研究課題で活用して知見を深めたFBG圧力センサーに関して、”FBGセンサーを活用した計測・実験技術”というオーガナイズドセッションを企画して、本研究課題の発表のみならず、計9件の発表を集めたことで関連技術に関する学術的貢献を行った。なお、2021年度中に公表できなかったが、2022年度内の研究成果公表として、国際会議(PRADS 2022)での発表(査読付きプロシーディング投稿含む)や雑誌論文への投稿を計画している。
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