研究課題/領域番号 |
19H02372
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
澤 隆雄 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 研究プラットフォーム運用開発部門, 主任研究員 (50359139)
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研究分担者 |
武内 伴照 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 高速炉・新型炉研究開発部門 大洗研究所 環境技術開発センター 材料試験炉部, 研究職 (00516825)
小澤 佑介 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 助教 (20634215)
後藤 慎平 東京海洋大学, 学術研究院, 助教 (90772939)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 水中 / 光無線 / LED / イメージセンサ / 照明 / 伝搬損失 |
研究実績の概要 |
通信対応水中アレイLED照明の製作では,2次元アレイ通信を想定してLEDを配置した水中利用可能なアレイ型LED照明を3種類を製作した.それら照明では赤,青,緑のLEDを異なるパターンで配置し,緑を多く配置しCCDの色フィルターで用いられるBayer配列,Bayer配列の緑と赤を入れ替えて配置した赤Bayer配列(仮称),三色を正三角形のそれぞれの頂点に配置して並べる細密充填配列を採用したものである.翌年度の水槽試験に備え,これらの陸上での発光試験を実施し,赤,青,緑の各色を任意の光強度で発光できることを確認した. 既存アレイ通信システムの改良では,単色のアレイシステムをひな形として三色独立に点灯できるシステムに拡張しつつ,水中照明として十分な光量を確保するための高出力化を行った.発光部は出力の異なる2つのアレイを制作し,一つは280Wの中出力タイプ,もう一つは460Wの高出力タイプである.両アレイの前面には複数の拡散版を設置できるようにしており,水中における濁りの影響を簡易的に模擬できるようにした.加えて受光部として小型PCにカメラを直結した専用システムも制作し,既存システムと同様のコンピュータビジョン(CV)による画像認識で通信することで,AI等による通信との比較検証ができるようにした. また昨年度から引き続き水中イメージセンサ通信シミュレーションを実施し,カメラ側のカラーフィルタの特性を考慮したシミュレーションを実施して精度を高めるとともに,試験的に制作したLEDアレイをカメラで撮影し,画像のサチュレーションや色のにじみがシミュレーションとどのように異なるかの精度検証を行った. これらの成果を電子情報通信学会にて一検討という形で発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当年度に計画した試験装置は計画通りに制作が完了した.またそれらを用いた気中動作確認試験や基本特性の取得もほぼ予定通りに完了した.シミュレーションに関しては当初予定よりも詳細な検討を進める事ができた. ただし参加研究協力者は茨城,東京,神奈川の異なる県に所属していたため,コロナの影響でに面会しての打ち合わせは一度しか実施できず,また多人数が一か所に集まらなければ水槽実験は実施する事が出来なかった.そのため事前の水中においての動作確認試験や基本特性の取得は実施できなかった.また学会発表も十分に実施する事ができなかった.
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今後の研究の推進方策 |
水槽試験の準備は整っていることから,次年度は研究遅延した分を急ぎ実施するとともに,予定通りに水中イメージセンサ通信を実施できる予定である.社会情勢が許せば,海外発表も積極的に実施する予定である.
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