研究課題/領域番号 |
19H02385
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
孫 光鎬 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (80756677)
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研究分担者 |
桐本 哲郎 電気通信大学, 産学官連携センター, 特任教授 (10364142)
松井 岳巳 東京都立大学, システムデザイン研究科, 教授 (50404934)
石橋 孝一郎 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (50614038)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 生体信号処理 / 生体センサデバイス |
研究実績の概要 |
本研究では,複数の生体センサを機能的な融合により安定的かつ高精度にバイタルサインを完全に非接触で同時計測し,短時間で感染症罹患者を検出する新型感染症検疫システムの実用化を目的としている.昨年度は,マルチ生体センサを機能的に融合させた完全非接触型システムのプロトタイプを2台を試作した.今年度では,試作したプロトタイプに研究した信号処理の方法を実装し,接触型医療機器により取得したデータと比較し,プロトタイプの問題点を抽出し,主に計測安定性・精度の面での改良を行った. 具体的に,マルチ生体センサから抽出した各時系列信号に対し,前処理として異常・欠落値処理を施し,後の感染症判別のためにデジタル信号処理を施す.同システムに特化した信号処理技術として,①独立成分分析による実環境や体動に起因とするノイズの低減,②適合フィルターによる呼吸・心拍信号分離,③短時間計測を実現するための自己回帰モデルによる呼吸・心拍の周波数分析法の実機への実装を実現した.また,国内外の感染症専門病院での臨床評価に関し,今年度は主に日本国内の医療機関で実地評価したが,コロナウイルス流行のため予定していたベトナム国立熱帯病病院での評価を中止した. 以上の研究成果を,国際論文誌2件や国内外の学会9件の研究発表を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り,マルチ生体センサを融合した完全非接触型バイタルサイン計測システムのプロトタイプを試作し,同システムに特化した信号処理法を開発実装を行った.また,システム評価は,実験室と国内の医療機関で実証し,計測安定性と判別精度の向上を確認した.従って,計画通り順調に進展していると判断する.
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は医療現場での利用可否について実用面から評価する.現場で取得した大量なデータからハードウェア,信号処理法,判別アルゴリズムを統合的に評価し,必要に応じて改善する.
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