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2020 年度 実績報告書

液状化中の誘導異方性の変化を考慮した再液状化被害予測手法の開発と対策効果の検証

研究課題

研究課題/領域番号 19H02402
研究機関東北大学

研究代表者

山田 正太郎  東北大学, 工学研究科, 准教授 (70346815)

研究分担者 京谷 孝史  東北大学, 工学研究科, 教授 (00186347)
中野 正樹  名古屋大学, 工学研究科, 教授 (00252263)
淺岡 顕  公益財団法人地震予知総合研究振興会, 地震防災調査研究部, 副首席主任研究員 (50093175)
野田 利弘  名古屋大学, 減災連携研究センター, 教授 (80262872)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード液状化 / 再液状化 / 弾塑性 / 複合負荷 / 水~土連成解析 / 誘導異方性
研究実績の概要

前年度までに三軸試験装置および中空ねじり試験装置を用いた系統的な実験により,液状化中に生じる誘導異方性の変動の様子を捉えるとともに,再液状化に及ぼす異方性の影響を把握している.加えて,骨格構造概念に基づくSYS Cam-clay modelと非排水せん断挙動の特徴を再現可能な非関連Drucker-Prager modelが同時に負荷を呈することが可能な複合負荷弾塑性構成式を開発している.誘導異方性の発展や中間主応力の影響を考慮するなど,構成則の更なる高度化を図った.本年度は,複合負荷弾塑性構成式を慣性力を考慮した水~土連成解析コードに実装した上で高い精度で計算が可能な応力の更新方法の開発を行った.同構成式を導入した解析コードの検証を行い,安定的に計算が可能であることを示した.
一次元の地震応答解析を実施し,水~土連成の境界値問題として再液状化が表現可能であることを実証することができた.一連の解析の中で,一度液状化した地盤の液状化強度が履歴を受ける以前よりも低下することを表現可能であるとともに,このような現象が生じるのは,液状化終了時に異方性が高位に発達しているからであることを解析的に示すことができた.
さらに,盛土を有する砂礫地盤を対象とした動的な遠心模型実験のシミュレーションを実施した.開発したコードの実用性の検証を行い,計測結果の特徴を概ね再現できることを確かめた.また,同模型実験へ入力した地震動は東海・東南海連動地震の中でも最大規模のものであるが,そのような巨大な地震動を入力しても安定的に計算が可能であることを確認することができた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2年目に予定していた慣性力を考慮した水~土連成解析コードへの開発コードの実装を行うことができた.また,液状化時においても安定的な計算を可能にする応力更新アルゴリズムを構築するとともに,開発したアルゴリズムおよび解析コードの精度と安定性を検証することができた.1次元および多次元の解析を遂行することができ,概ね順調な成果を上げることができた.

今後の研究の推進方策

次年度はより高い精度での計算が可能となるように,構成式の更なる高度化を行う予定である.また,開発した複合負荷弾塑性構成式を実装した水~土連成解析コードによる地震応答解析を実施し,再液状化リスクの評価手法を確立することを目指す.また,これまでの実験的研究の中で,物理特性が再液状化のしやすさに与える影響が明らかになってきた.この成果を再液状化のしやすさを評価するための一次スクリーニングとして活用することについても検討する.

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] 変形勾配の乗算分解型有限変形理論に基づくCam-clay modelの定式化とF-bar法による体積ロッキング現象の回避2021

    • 著者名/発表者名
      窪田友也,山田正太郎,松原誠志朗,京谷孝史
    • 雑誌名

      計算工学会論文集

      巻: 2021 ページ: 20210001

    • 査読あり
  • [学会発表] Cam-clay model を用いた有限変形解析における体積ロッキング現象の回避に関する検討2020

    • 著者名/発表者名
      窪田友也, 京谷孝史, 山田正太郎, 松原成志朗
    • 学会等名
      第75回土木学会年次学術講演会講演概要集
  • [学会発表] 微小変形理論に基づく Cam-clay modelの陰的応力更新アルゴリズムの構築2020

    • 著者名/発表者名
      小松龍之介, 山田正太郎, 京谷孝史, 松原成志朗, 劉暁東
    • 学会等名
      第75回土木学会年次学術講演会講演概要集
  • [学会発表] Reproduction of shear behavior of fiber-reinforced Toyoura sand by SYS Cam-clay model2020

    • 著者名/発表者名
      Ganiev, J., Masaki, N. and Shotaro, Y.
    • 学会等名
      第55回地盤工学研究発表会講演概要集
  • [学会発表] Numerical analysis of the mechanical behavior of a tunnel excavated in swelling rockmass2020

    • 著者名/発表者名
      Xiaodong LIU, Seishiro MATUBARA, Syotaro YAMADA, Takashi KYOYA
    • 学会等名
      第47 回岩盤力学に関するシンポジウム
  • [学会発表] Cam-clay model を用いた有限変形解析における体積ロッキング現象の回避に関する検討2020

    • 著者名/発表者名
      窪田友也, 山田正太郎,京谷孝史, 松原誠志朗
    • 学会等名
      計算工学講演会論文集
  • [学会発表] 変形勾配の弾塑性乗算分解に基づく有限変形解析コードの開発とその精度検証2020

    • 著者名/発表者名
      窪田友也, 山田正太郎, 京谷孝史, 松原誠志朗
    • 学会等名
      令和元年度土木学会東北支部技術研究発表会
  • [学会発表] 亜弾性構成則に基づくCam-clay modelの陰的応力更新アルゴリズムの構築2020

    • 著者名/発表者名
      小松龍ノ介, 山田正太郎, 京谷孝史, 松原誠志朗, 劉暁東
    • 学会等名
      令和元年度土木学会東北支部技術研究発表会

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公開日: 2021-12-27  

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