| 研究課題/領域番号 |
19H02412
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| 研究機関 | 東北大学 |
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研究代表者 |
XU XIAO 東北大学, 工学研究科, 助教 (20781389)
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| 研究分担者 |
辻川 雅人 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (40615019)
大森 俊洋 東北大学, 工学研究科, 准教授 (60451530)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 形状記憶合金 / リエントラント・マルテンサイト変態 |
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| 研究実績の概要 |
本年度はCo系リエントラント・マルテンサイト変態を示す新規形状記憶合金の開発に向けて、第一原理計算による合金系スクリーニングおよび既存合金系の基礎データ構築を行った。
分担者辻川助教と連携し、３元Co2YZホイスラー合金の相安定性およびマルテンサイト変態の可能性を評価し、磁気特性および電子構造も調査した。これらの結果に基づき、来年度マルテンサイト変態の可能性について実験的に確かめる予定である。
現在のところ、リエントラント・マルテンサイト変態を示す合金系はCo2Cr(Ga,Si)のみであるが、Co2Cr(Ga,Si)合金においてもホイスラー相の存在範囲および、マルテンサイト変態とリエントラント・マルテンサイト変態の出現組成領域は分からなかった。本年度は本合金系において、Ga:Siを1:1に固定した擬３元系状態図を実験的に決定した。その結果、ホイスラー相は広い組成範囲において存在し、ホイスラー相のキュリー温度は室温以下の低温から600 Kの高温まで分布していることが分かった。また、今までのGa+Si=22断面以外でも、新たにマルテンサイト変態およびリエントラント・マルテンサイト変態を示す合金を見つけることが出来、来年度その詳細について調査する予定である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた理論計算も実験も概ね順調であった。特に、マルテンサイト変態の可能性示す新たな３元系合金を第一原理計算によって予測することが出来、来年度は予定通り実験で確かめる段階に進めていく。また、本研究の成果を投稿論文に掲載し、 国内外会議にでも発表を行い、研究が全体的におおむね順調に進展している。
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| 今後の研究の推進方策 |
２年目の研究は研究調書の予定通り、１年目の結果に踏まえて、引き続き第一原理計算によるマルテンサイト変態を示す合金系のスクリーニングおよび実験による既存合金系の基礎データの構築、2つの項目を並行して進行する。
1. 第一原理計算によるスクリーニング
１年目から行っていたCo2YZ３元系のスクリーニングについては、ホイスラー相の相安定性およびマルテンサイト変態の可能性評価を完成させる。マルテンサイト変態の可能性の高い組み合わせについては、実験的に合金を作製し、ホイスラー相の存在およびマルテンサイト変態の有無を確認する。また、２年目は特に非化学量論組成および4元系への拡張を重点において計算を行い、磁気特性および電子構造も評価する。
2. 既存合金系における基礎データの構築
１年目では、既存のCo2Cr(Ga,Si)合金において、Ga:Siを1:1に固定した擬３元系状態図を実験的に決定した。しかし、時効効果およびGaとSiの比率を1:1からずらした時のマルテンサイト変態挙動は未だに分かっておらず、２年目はこれらを調査する。特に、リエントラント・マルテンサイト変態の出現に大きく関わるキュリー温度、マルテンサイト変態温度およびマルテンサイト変態のエントロピー変化に注目し、Co2Cr(Ga,Si)系合金においてマルテンサイト変態温度、そしてリエントラント・マルテンサイト変態温度の制御を目指す。また、Co-V-Ga、Co-V-SiおよびCo-V-Al等、CoV基合金においても3元系状態図および擬2元系縦断面磁気状態図を実験的に決定する。
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