研究課題
研究代表者は応力によって誘起されるマルテンサイト変態の結晶学的特徴が、従来の定説と異なるものであることを新たに発見した。本研究はどのような条件でどの程度の差異が生じるのかを実験的に詳細に解明し、その具体的機構を明らかにすることを第一の目的とした。具体的には、チタン系形状記憶合金の単結晶試料を作製し、応力下でEBSD観察やECCI測定、X線回折測定、光学顕微鏡による2面解析など多数のin-situ測定を同一の試料で行い、これまで検討されてこなかった応力誘起変態の詳細な結晶学的特徴を徹底的に明らかにした。さらに、これらから得られる知見を基に超弾性の機能劣化の克服が可能であるかも検討を行った。前年度までに、応力誘起マルテンサイトの結晶学的特徴が定説からずれる理由は、応力誘起変態時の母相とマルテンサイト相の結晶構造の変化にあることが明らかになっている。従来までは応力誘起マルテンサイトは熱誘起マルテンサイトと同じ結晶構造であると考えられていたが、実際の応力誘起マルテンサイトには大きな弾性歪みが加わっていた。同様に母相にも弾性変形が加わり、これらが原因となって応力誘起マルテンサイト変態の結晶学的特徴が従来とは異なることがわかった。最終年度であるR4年度はこれまでに得られた知見をまとめることに注力した。特に、従来の理論値からの差異が生じる原因について、他の合金でも検討を行った。加えて、応力誘起マルテンサイト変態による超弾性機能の劣化挙動を結晶学的観点から考察した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
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