研究課題
基盤研究(B)
応力誘起マルテンサイト変態の結晶学的特徴を最新の分析装置を使ってその場観察・測定し、従来の結晶学的理論の再検証を行った。従来は応力誘起するマルテンサイトは熱誘起マルテンサイトと同じであると考えられていた。本研究で詳細に解析した結果、応力誘起マルテンサイトは格子定数を変化させることで母相との界面の適合性を維持しながら生成することが明らかになった。
金属組織学
応力誘起マルテンサイト変態は形状記憶合金が持つ「超弾性」機能の根幹をなす現象であるにもかかわらず、1980年代に行われた研究以降、基礎的研究が十分に行われてこなかった。本研究の成果は応力誘起変態の学術的基礎の再検証に資すると考える。また、得られた成果は超弾性機能の向上に向けた材料設計理論の構築に今後重要な役割を果たすものである。