本研究課題は、高濃度に水素を含有した化合物を創出することを目的に、「圧力」「温度」「電圧」の3つのパラメータを同時に変調可能な新たな物質合成手法「高圧固体電気化学法」を開発した。これにより、ペロブスカイト酸化物の酸素サイトをヒドリドに置換した、緻密なバルク多結晶体を合成することに成功している。この手法により得られたBaTiO3-xHxは従来法により得られた試料よりも室温で10の5乗程度低い電気抵抗率を示し、粒界抵抗を大きく低減したことが明らかとなった。このように、本質的な物性調査が可能となったことで、当該研究分野の大きな発展が期待される。
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