酸化物や窒化物に代表されるイオン性半導体は、アモルファスの形態でも高電子移動度を示し、様々なディスプレイの駆動用薄膜トランジスタ(TFT)として実用化されている。しかし、これらの素子はnチャネルTFTで構成され、良好なpチャネル特性を示すTFTがないため、CMOSへの応用は十分に進んでいない。本研究の成果では、銅と窒素の単純組成のみで容易に高性能な酸化物半導体と同等のデバイス特性が得られることから、酸化物だけでなく窒化物を用いた素子開発の可能性が示された。また窒化銅薄膜の半導体デバイスとしての性能が実証されたことから今後は薄膜太陽電池への応用が期待される。
|