研究課題
本研究では、SnO2やZnOのようなn型半導体表面上に異なる機能を持つレセプターを二種類担持することにより、ガス選択性に優れた高感度ガスセンサを見出すことを目的としている。2022年度は、①ベース材料である金属酸化物ナノ粒子における結晶面制御、②金属酸化物の制御結晶面へのナノレセプター担持技術構築、③レセプターによるガス選択的検知の評価、④MEMS型ガスセンサへの適用、⑤金属酸化物へのダブルナノレセプター担持と評価を行い、以下の結果を得た。材料調製方法である湿式法のpHやキレート材などを最適化することにより、SnO2およびZnOにおいて結晶面が露出した粒子、ロッドを作製できることを明らかにした。貴金属レセプターの担持方法としてコロイド法を検討し、3nm以下の粒子径をもつPdやAuの作製とベース材料への均一分散担持に成功した。また、金属酸化物レセプターとしてMoO3を選択し、pHを制御した担持法により微細なMoO3粒子をSnO2表面へ担持することができた。SnO2およびZnOの結晶面の評価として、エタノールの検知特性を調べた結果、結晶面を制御していない粒子と比べ、一桁から二桁高いセンサ感度が得られることがわかった。レセプター効果として、Pd-SnO2ではメタン感度を二桁以上、Au-ZnOではイソプレン感度が数ppbレベルまであることを見出した。また、MoO3-SnO2ではエタノールがメタノールよりも数倍高い感度を示すことがわかった。MoO3-SnO2をMEMS素子に展開し、さらなる高感度かつ高選択性を検討したところ、パルス駆動制御を最適化することで、メタノールに対するエタノールの選択性は二桁以上向上することを明らかにした。Pd-MoO3-SnO2のダブルレセプター効果を検討したところ、さらに水素、CO、水蒸気などの影響を抑制し、選択性がさらに向上することを見出した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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https://www.mm.kyushu-u.ac.jp/lab_03/thesis.html