研究課題/領域番号 |
19H02441
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
呉 松竹 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30633573)
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研究分担者 |
八代 仁 岩手大学, 理工学部, 教授 (60174497)
日原 岳彦 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60324480)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | LIB負極材料 / TiO2-TiN / Sn-SnO2 / MoO2-MoO3-Mo2N / アノード酸化 / ハイブリッド電析 / MoS2 / アノード電析 |
研究実績の概要 |
リチウムイオン電池(LIB)の需要は、従来の小型電子機器から大型電気機器へと急速に拡大し、電池の高エネルギー密度化に伴う安全性問題の解決が喫緊の課題となっている。 本研究では、まず、安全性向上の視点から、Tiの酸化と窒化とを同時に実現するスマートアノード酸化により、LIB負極向けの高反応性かつ導電性のナノポーラスTiO2-TiN複合酸化皮膜をTi板上に形成した。続いて、高容量化の面から、金属と酸化物を同時に析出させるハイブリッドめっき法を活用して、大容量且つ導電性のSn-SnO2およびMoO2-MoO3-Mo3N複合ナノ粒子をTiO2-TiN アノード酸化皮膜のナノ細孔中に析出させ、高性能TiO2-TiN/M-MOx複合電極材料の創製に成功した。また、アノード酸化の際に有機添加剤を加えることで、均一なナノポーラスTiO2-TiNの高速形成も成功した。 電気化学測定により、Sn系およびMo系物質をマトリックスのTiO2-TiN皮膜へ電析することにより、複合膜の導電性を大幅に改善し、電析前と比べて単一面積の放電容量が5~16倍向上され、サイクル特性も改善できることが確認された。これにより、LIBの安全性向上と高容量化の両立は実現可能のことが示唆された。 さらに、二段階アノード酸化法とアノード電着法を利用してTiO2-TiN/MoS2複合膜の創製に成功した。その複合膜はTiO2-TiN皮膜より3~5倍の高い放電容量と優れたサイクル特性を示し、優れた潤滑性も持つことが確認された。また、Ti上にアノード酸化法とめっき法を活用して世界初めてTi上に超硬質Ni-W合金膜の形成に創製に成功し、高温安定性を確認された。。 そして、研究成果として、著書1件、査読付き論文7件(内国際共著5件)、国際学会発表27件(うち招待講演2件、国際学会7件)、特許出願1件を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の予想から研究計画と分担内容に沿って行い、研究を順調に進展している。 また、二段階アノード酸化法とアノード電着法を開発し、TiO2-TiN/MoS2系複合膜を創製し、LIB負極として優れた充放電特性を確認された上、機械部品として優れた潤滑性も確認された。 さらに、本研究の研究手法を活用して、Ti上にアノード酸化法とめっき法をにより世界初めてTi上に超硬質Ni-W合金膜の創製に成功し、高温安定性を確認された。
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今後の研究の推進方策 |
・計画通りに、高安全性・大容量LIB負極として材料作製と特性評価を行い、学術論文の作成に力を入れる。 ・実用化へ推進する。 ・研究の新展開として、固体電解質電池、光触媒および航空部品用の超硬合金材料の創製取組む。
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