研究課題
リチウムイオン電池(LIB)の需要は、従来の小型電子機器から大型電気機器へと急速に拡大し、電池の高エネルギー密度化に伴う安全性問題の解決が喫緊の課題となっている。本研究では、まず、安全性向上の視点から、Tiの酸化と窒化とを同時に実現するスマートアノード酸化により、LIB負極向けの高反応性かつ導電性のナノポーラスTiO2-TiN複合酸化皮膜をTi板上に形成した。続いて、高容量化の目的で、金属と酸化物を同時に析出させるハイブリッドめっき技術を開発し、大容量且つ導電性のSn-SnO2およびMoO2-MoO3-Mo3N複合ナノ粒子をTiO2-TiN アノード酸化皮膜のナノ細孔中に析出させ、高性能TiO2-TiN/M-MOx複合電極材料の創製に成功した。また、アノード酸化の際に有機添加剤を加えることで、均一なナノポーラスTiO2-TiNの高速形成も成功した。 電気化学測定により、Sn系およびMo系物質をマトリックスのTiO2-TiN皮膜へ電析することにより、複合膜の導電性を大幅に改善し、電析前と比べて単一面積の放電容量が5~16倍向上され、サイクル特性も改善できることが確認された。これにより、LIBの安全性向上と高容量化の両立は実現可能のことが示唆された。さらに、二段階アノード酸化法とアノード電着法を利用してTiO2-TiN/MoS2複合膜の創製に成功した。その複合膜はTiO2-TiN皮膜より3~5倍の高い放電容量と優れたサイクル特性を示し、優れた潤滑性も持つことが確認された。また、Ti上にアノード酸化法とめっき法を活用して世界初めてTi上に超硬質Ni-W合金膜の形成に創製に成功し、高温安定性を確認された。。そして、研究成果として、著書1件、査読付き論文5件(内国際共著2件)、国際学会発表31件(うち招待講演4件、国際学会発表10件)、特許出願3件を行った。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件) 学会発表 (31件) (うち国際学会 10件、 招待講演 3件) 図書 (1件) 産業財産権 (3件) (うち外国 1件)
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