研究課題
炭素繊維強化PEEKサンプルを用意した。処理群には、硫酸処理、酸素プラズマ処理を行った後、アパタイト核処理用にイオン組成を最適化した擬似体液(modified-SBF)に浸漬する処理をおこない、材料表面近傍にアパタイト核を析出させたものを使用した。硫酸処理後にX線光電子分光法を用いて材料表面を調べたところ、S-Oに由来するピークが検出された。酸素プラズマ処理後においては、S-Oに由来するピーク強度が顕著に増大し、C-Oに由来するピークが新たに検出された。さらにこの段階で、材料表面が疎水性から親水性へと変化したことが接触角測定により明らかとなった。アパタイト核処理後においては、Ca、Pのピークが新たに検出され、さらに材料表面の親水性が保たれていることがわかった。日本白色家兎8羽の脛骨に未処理サンプル、処理サンプルを埋入し、4週、8週経過後に評価を行った。力学的評価、組織学的評価、μCT撮影を行い、サンプルと新生骨との界面の評価を行うため骨インプラント接触率(BIC)を計測した。新生骨の体積については、4週、8週ともに、処理群で有意差をもって新生骨の体積が多かった。力学的評価では4週、8週ともに処理群で有意に破断強度が高かった。処理群では4週から8週にかけて有意に破断強度の向上がみられたのに対して、未処理群では破断強度に有意差は見られなかった。BICについては4週時には両者に有意差がみられなかった。8週では処理群では4週と有意差がみられずほぼ同等の結果であったのに対して未処理群では大幅にBICが低下した。炭素繊維強化 PEEKに対してアパタイト核処理を行うことにより、未処理群のものに対して骨との間に結合強度の向上を認めた。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Materials
巻: 14 ページ: 6691~6691
10.3390/ma14216691
ニューセラミックスレター
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